2024年 4月 25日 (木)

「美味しんぼ」被曝論争で前町長 鼻血シーンをブログ公開!福島県、双葉町は小学館に抗議

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   人気マンガ「美味しんぼ」が福島県などから激しい抗議を受けている。小学館発行「週刊BIG COMIC スピリット」の「福島の真実」編(上)が、「放射能で鼻血が出た」「福島には住むな」といったショッキングな内容を含み、政府も否定のコメントを出す事態になっている。

   「美味しんぼ」(作・雁屋哲+画・花咲アキラ)は31年間も連載している人気のグルメ・マンガで、単行本110巻、累計1憶3000万部を売り、映画やドラマにもなっている。

主人公・山岡士郎と父親が福島原発取材後に出血

   「福島の真実」は作者が2011年11月~2012年11月の取材でが見た「福島県の食の現場の真実!」というシリーズの1話だ。主人公らが福島原発周辺に取材に入るという設定になっている。

   きのう12日(2014年5月)発売号の「第23話」ではこんな発言があった。「福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しく人が大勢いるのは被ばくしたからですよ」「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」

   話しているのは双葉町の井戸川克隆・前町長で、実在の人物である。専門家が同席していて、「医学界に異論はありますが、放射線の影響は十分考えられます」とも話している。井戸川氏はさらに「だから町民に、福島県内には住むなといっているんです」という。

   前回4月28日号「第22話」では、主人公の山岡士郎が突然鼻血を出す。医師は「福島の放射線と関連づける医学的知見がありません」というのだが、一緒に視察した山岡の父親も鼻血が出た。そして井戸川氏の「私も鼻血が出ます」という発言となる。井戸川氏はブログで、実際に鼻血が出たシーンを公開しているが、マンガの影響の方がはるかに大きい。

作者・雁屋哲「私は真実しか書けない」来週発売の最終話で特集

   双葉町は福島第1原発のすぐ北にあり、町のほとんどが「帰還困難区域」で、いまだ大半の町民が避難生活を送っている。避難住民は「そんな話は全然ない」「また風評被害になる」と怒る。

   双葉町は「原因不明の鼻血などの症状を訴える町民が大勢いるという事実はありません。町に事前の取材がなく、一方的な見解を掲載したことに、 町として厳重に抗議します」と小学館に抗議した。

   福島県も「放射性物質による健康被害はない。本県への不安感を増長させるものであり、風評被害を助長する。断固容認できない。極めて遺憾」と抗議の声明を出した。安倍内閣も菅官房長官が「放射線と鼻血に関係があるとは考えられない」と述べた。

   また、マンガの中では、大阪市が受け入れたがれき処理場近辺の住民800人に不快症状があるとされていた。これに橋下徹・大阪市長は「事実に基づくものならば表現の自由。根拠をしっかり出してくださいと、作者、編集部に申し入れをしている」という。処理場周辺の放射能値は実際は低い。

   福島の鼻血にしても、専門家は「短時間に強い放射線を浴びれば鼻血もでるだろうが、福島の汚染はレベルが違う」と否定する。

   作者の雁屋哲はブログで「私は真実しか書けない」「2年かけて取材した真実をありのままに書くことがどうして批判されるのかわかりません」と語っている。小学館は福島シリーズの最終話となる次号で特集を組む予定だ。

   司会の加藤浩次「現地に6回いったら鼻血が出たと…」

   キャスターのテリー伊藤「井戸川さんを出すのはいいが、マンガの主人公を表に出して鼻血というのはどうか。理解に苦しむ」

   ロバート・キャンベル(東大教授)「鼻血のメカニズムとか、低線量でそうなるかとか、マンガでもそれをネグってはいけないでしょうね。水分子のことがでているが、文系の私が見ても首を傾げる部分があります。ルポなら私たちにも納得できる形で書かないと。ただ、風評を恐れるあまりふたをするのはまずいですが…」

   両面がある。これが一石を投ずることになるのか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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