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「同級生殺害」父親が通院経過説明…目立つ弁解「医師から指示もなかった」

   長崎県佐世保市の同級生殺害容疑で逮捕されている県立高校1年の女子生徒(16)の父親は4日(2014年8月)、娘の異常な言動が目立つようになって精神科医に相談を始めた7月7日から25日までの対応を文書にまとめ、代理人の弁護士を通じて説明した。

「医師自身にも切迫性を感じていた素振りはない」

   文書は日付を追って報告されている。

【7月7日】甲病院の診察日。父親夫婦が引率。医師より猫の虐殺の話を初めて聞かされる。医師から「そのような行為の抑止の意味合いで、動物虐待防止違反などにより児童相談所や警察に相談するという方法もある。検討してくれ」と言われた。

【7月16日】病院の診察。父親夫婦引率。医師と協議続行。「引き続き検討してみてください」。結論は持ち越し。「ただちに児童相談所等に行け」等の指示はなかった

【7月23日】甲病院の診察日。妻が引率(父親は仕事)。病院に向かう車中で、少女が妻にさまざまな話をした。その中に危機感を感じさせる表現が含まれていて、このことを妻が医師に説明するも、医師は「きょうは時間がないから話したい内容は次回にしてくれ」と言われた。妻が「次の打ち合わせ日時を早急に入れてくれ」とお願い。次回は7月30日と指定された。このことからもわかる通り、医師自身にも切迫性を感じていた素振りはない。

【7月25日】診察はなく、(女子生徒を除く)医師、カウンセラー、父親夫婦の4名で打ち合わせ。父親から「貴院あるいは別の病院に入院するという措置はとれないか」お願い。これに対し医師は「この病院にも個室はあるが、その一つを独占させることになるので入院は難しい。他の病院でも受け入れは困難だろう」。今後の対応を協議検討したところ、直ちに警察に行くのは不適。まずは児童相談所に相談することで一致した。

   帰途、車中から児童相談所に電話したところ、守衛(宿直)は「きょうはサマータイムで終わってしまった。月曜日に電話してくれ」

「何もしないで放置していたというものでは全くない」

   最後に父親は「少女の単身生活は両病院の医師の意見に沿うものであり一人暮らしをさせてはならない旨の指導を受けたことは皆無である。以上の流れから分かる通り、医師が人を殺す危険を警告していたのに何もしないで放置していたというものでは全くない」と締めくくっていた。

   ロバート・キャンベル(東大教授)「(父親は)法律家なので、防げなかったことを消去法で客観的に説明している。ただ、読んでみて、この時期に自分の名誉を主張するのはちょっと…。それよりも亡くなった被害者の少女に思いを寄せてほしかったですね」

   まさか翌日に事件が起こるような切羽詰まっていたとは誰も想像できない中で、父親としてこのままでは危険だと想定しての対応だったのだろう。加えて、入院もできない、児童相談所にも先延ばしされるなど運もなかった。