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<ママとパパが生きる理由。>(TBS系)
この実話ドラマ辛い!夫婦で末期がん、幼い子供たち...「何がしてやれるか」「どう付き合うか」周囲は困惑するばかり

   えーっ、嘘だろう? あんまりだあ! この世には、自分の身に起こったのでなければとても信じられない不幸、というものがある。これは、2人の子供を持つママとパパが同時にがんになるというドラマである。原案は乳がんの宣告を受け1年足らずで亡くなった女性が、その闘病生活をつづったブログで、実話だ。

嘆く暇もなく迫ってくる現実

   幼稚園の年長組に通う娘と、まだ小さい息子を持つ柊子(吹石一恵)は、ホノルルマラソンめざして毎朝ジョギングをする元気なママだった。ある日、走っていて胸の痛みを感じ、近所のクリニックに行ってみると、大学病院での精密検査を勧められる。結果は乳がんで、すでに末期、手術はできないとのことだった。肝臓に転移もしている。

   ショックで混乱する柊子だが、それでも2人の子供を思い、優しい夫の賢一(青木崇高)に支えられて、抗がん剤による治療に取り組もうと前向きになる。その矢先、なんと今度は賢一が会社の健診で引っかかり、検査の結果、一刻も早く治療しなければならない重度の肺がんだと宣告される。

   柊子も賢一もまだ35歳(原案では39歳)の若さだ。双方の両親とも、自分たちより次の世代が先に病魔に侵されることなど思ってもみなかった。しかし、嘆く暇もなく、現実は容赦なく対応を迫ってくる。抗がん剤の副作用に苦しむ柊子は日常の家事が十分できず、幼稚園の送り迎えなど子供の世話にも手助けが必要となる。

自分の無力感に苦しむ親・友人たち

   気のいい働き者の賢一の母・由美子(朝加真由美)は、かいがいしく家事や孫の世話をしてくれるが、賢一もまたがんに罹っていることがわかると、やはりショックは大きい。疲れもどっと増して、自分の負担の大きさに文句が出てくる。

   柊子の母は新聞記者で忙しく、柊子ともあまり気が合わない。そういう母がこれからどうやって柊子を支えてゆくかも見ものである。

   賢一が勤める会社の社長・野村(田中哲司)は先輩でもあり、めっぽう善い人で、賢一に心配せずに治療に専念するように言ってくれる。だけど、独立して自分で始めた小さい会社だから大変だろうな、と他人事ながら心配になる。

   視聴率はあんまり振るわないが、裏に「ドクターX」というオバケ番組を抱えているので無理もない。ただ、同じ医療に関係するドラマなのが皮肉な気もする。夫婦とも手術は不可能とされているが、「失敗しない」ドクター、大門未知子に何とか助けてもらえないものかしら、なんてつい思っちゃうよなあ。(木曜よる9時)

(カモノ・ハシ)