2024年 4月 19日 (金)

<デート~恋とはどんなものかしら~>(フジテレビ系)
杏・長谷川博己「ぶっ飛びキャラ」楽しい!恋愛ゼロのアラサー男女「嫌々婚活」さあ~て、2人うまくくっつくか・・・

   私としては、今シーズンのイチオシはこれだ。やるね、杏と長谷川博己! と言うより、脚本(古沢良太)をはじめ、あの「リーガルハイ」で古美門研介(堺雅人)のブッ飛んだキャラクターを作ったスタッフが、今度は杏と長谷川博己の新しい魅力をうまく引き出している、と言うべきか。

   主人公二人のキャラ設定がうまい。ヒロイン・依子(杏)は東大大学院を出て、内閣府の研究所で舌を噛みそうなテーマの研究をしているリケ女(理系女子)である。超合理主義者で、感情の動きを顔に出さない。出さないと言うか、感情の動きが「ない」。少なくとも普通の人間の回路では・・・。したがって、友達もできたことがない。

   一方、相手の巧(長谷川博己)は35歳になるのに一度も働いたことがない引きこもりで、美術教室を開く母の留美(風吹ジュン)に頼って生活している。そういう自分を「高等遊民」と称し、家から一歩も出ずに、自室で好きなだけ文学や芸術に浸って暮らしているニートである。

初対面でいきなり「勃起力に問題はありませんか」

   で、この二人が必要に迫られて結婚をめざすことから、てんやわんやが始まる。依子は29歳になる娘を心配する父のためを思ってであり、また国家公務員として少子化対策に貢献できると考えてのことである。だから、結婚相談所で紹介されて初めて会った巧に、「勃起力に問題はありませんか」と聞いてしまうのである。

   巧の方はもっと切実だ。頼みの母がどうもこの頃、体調がすぐれない。母にもしものことがあったら自分はどうやって生活していけばいいのか。危機感を感じた巧が考えたのは、次の寄生相手を見つけることだ。そして、結婚相談所のデータで目をつけたのが国家公務員の依子だったのである。もちろん、自分は「出版社勤務」と嘘を書いて登録したのだ。

   こうして「デート」など1度もしたことがない二人がデートすることに。両方とも、どうしていいかわからないし、だいいちデートなるものが苦痛で苦痛で仕方がない。

   デートにふさわしい髪型や服、表情などをネットや本で「研究」した依子が笑える。頭の真ん中に大きな花を付け、終始首をかしげた上目づかいに唇を突き出して口角を引いた「アヒルぐち」。さすがの巧も「き、気もち悪い」と引く。

   巧は巣穴から引っ張り出されたアナグマみたいに、コソコソと猫背のがに股で歩く。優秀だが、それゆえ自分の限界が分かってしまった男の鬱屈がユーモラスに表現されている。

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