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少年法下げるべきか?ビートたけしの一理「選挙権18歳にするなら刑罰だって大人扱い」

<「うちの(Aの母親)と一回だけ面会したんだけど、アイツは俺の前では全然話をしない。『自分でやりました』も何もない。泣いたりもしないね。俺の方からは『どうなんだ』って話はしたけど、何も言わねえ。反省はしてるんだろうけど、ずーっと黙ってるだけなんだ。うちの子供はみんなそうなんだけど、アイツはいろいろなことを溜め込むタイプ。自分の腹の中に全部しまっちゃうのよ」>

   『週刊文春』は川崎市立大師中学1年生の上村遼太君(13)殺害の主犯格の18歳Aの父親を直撃している。この父親は事件当初、うち息子は殺してないといっていたが、Aが容疑を認めたことで観念したようだが、週刊文春の取材中、最後まで上村君への謝罪の言葉は聞かれなかったという。

   Aの父親は嘆息してこういった。<「うちには事件後、ガキたちが嫌がらせで毎日来てる。ピンポンを鳴らすのはしょっちゅうだし、『人殺し』っていう紙がポストに入っていたり・・・」>

   身体が悪いフィリピン人の母親も取材中に顔を覗かせたそうだが、泣きはらし憔悴しきった様子だったそうだ。

   『週刊新潮』は先週号でAの実名と顔写真を出したが、今週は「少年犯罪の『実名・写真報道』私の考え」という特集を組み、識者たちに話を聞いている。この事件を機に少年法を改正しろという声が高くなってきているが、『週刊ポスト』でビートたけしがこのように喋っているので紹介しておこう。

<「18歳が凄惨な事件を起こしたのと同じタイミングで、国会じゃ『18歳以上に選挙権を』っていう議論になっている。与野党6党によって再提出されて、今国会で成立は確実な情勢らしいけどさ。早ければ来年夏の参院選から『18歳以上』が実現するというね。
   『選挙権がある』っていうことは、成人であるっていうことと同義だろう。18歳でも国や社会の未来を決める責任を負えるっていうんだから、それなら刑罰だって大人扱いしないとウソだよな。こんな事件があったからいうわけじゃなく、当然、18歳以上は少年法の適用外だよ。『自分の責任は自分で取る』っていうことを叩き込まないと、選挙権を持ったって投票行動は適当なことになるだろう。
   18歳の投票率が成人より低いってことになるかもしれないし、馬鹿な候補にこぞって投票して日本はとんでもないことになっちまうかもしれない。マヌケなプロレスラーやタレント、アイドルばかりが国会でふんぞりかえる未来になるんじゃないか。
   それに最近じゃ、自分が少年法で守られていることを自覚して、『今だったら罪は軽い』『人を殺すなら今のうち』なんてヤツが本当にいやがるんでね。別にそんなバカを法律で守ってやる必要はないし、責任と義務を回避して権利だけをもらおうって虫のいい話はないだろ」>

   いまの流れでいけば、18歳以上に選挙権を与えるなら、少年法も18歳に引き下げろということになりそうだ。私もそれは致し方ないと思うが、自分の18歳の頃を思い出してみると、「おらあ本当にガキだった」。18歳からお前は大人だといわれても、当人たちは困惑するだけだろうな。

中川郁子政務官 高くついた「路チュー」自民党内で見限られ、後援者は「裏切られた」

   先週、週刊新潮がスクープした中川郁子農水大臣政務官の「路チュー」事件は、新聞各紙も挙って取り上げたが、いつも通り「一部の週刊誌」としか書かず、週刊新潮のスクープと入れないのはおかしな話である。私が見た限りでは、ワイドショーは週刊新潮といっていたが、これは写真を使いたいからであろう。他誌のスクープをクレジットを出さずに使うなど、メディアとして最低の礼儀もわきまえないバカのやることである。

   週刊新潮によれば、中川の亡くなった夫、中川昭一氏は安倍首相の盟友だったが、それだけにショックだったようで、「『郁子さんがこんな人だとは思わなかった』と、露骨に不快感を示し」たそうで、「おぞましい」とまでいっていたとさる官邸関係者が語っている。

   温厚な谷垣禎一幹事長も「言語道断」といったそうだ。また週刊文春によれば、中川氏には2人の子供がおり、長女はフジテレビの報道局に勤め、長男は慶應大学を卒業して4月から大手総合商社への就職が決まっているそうだ。長男は政治に興味はあるそうだが、地元の後援会関係者はこう語っている。

<「仮に息子さんにそういう思いがあったとしても、今回の一件で五十年続いた中川家の世襲は終わりです。今回の裏切りを、地元の人間は絶対に許しません」>

   バカは隣の火事より怖いのだ。

世界3大投資家が恐怖の予測「異例の通貨価値下落!円安が日本経済を破壊する」

   ライバル誌の週刊ポストからも批判が上がる『週刊現代』の株価予測記事だが、今週も性懲りもなく(失礼!)「『株価2万円超え』のこれから」を巻頭から大特集している。だが、「どこまで上がるか、いつ下がるか、それが問題だ」とサブタイトルがついているように、どっちつかずで、上がるのか下がるのか、買いなのか買わないほうがいいのか、読んでみてもよくわからない。

   世界3大投資家といわれるジム・ロジャーズ氏は「私もしばらく日本株を買い続ける」といいながら、こうコメントしている。<「円安ドル高については、短期的に見れば基本的に日本経済にとって良い環境だといえます。でも長期的な視野に立てば、通貨の価値を下げることで発展した国は、いまだかつて存在しません。

   円はこの3年間で、ドルに対して40%以上価値が下がりました。これは驚くべきことです。世界史の教科書をひっくり返してみても、たった3年の間に主要国の通過が40%以上も価値を下げたなんて事例は見つかりませんからね。だから、このような円安が続くことになれば、最終的には日本経済が破壊されることになるでしょう」>

   明らかに日本経済は破綻の方向へ進んでいるというのだから、なけなしのカネをはたいて株を買う奴はいないのではないか。

安倍首相と黒田日銀総裁が目論む「預金封鎖」マイナンバーで着々準備

   週刊ポストは安倍首相と黒田日銀総裁が進めるアベクロノミクスは「預金封鎖」を企んでいると警鐘を鳴らすが、こちらのほうは「本当に怖い近未来」である。NHKが「ニュースウォッチ9」で「預金封鎖 もうひとつのねらい」(2015年2月16日放送)という特集を放送したことが大きな反響を呼んでいるそうだ。終戦直後の1946年、政府が戦時中の借金を返すため、全国民の預金を封鎖したうえでそれに課税し、資産を根こそぎ没収した歴史的事実を検証した内容だった。

   週刊ポストによれば、放送4日前に、安倍政権の経済・財政政策の基本方針を決める「経済財政諮問会議」の席上で、黒田東彦日銀総裁が重大な発言をしていたそうだ。その内容を自民党政調幹部がこう語っている。

<「黒田総裁は昨年12月に日本国債の格付けが引き下げられた影響を非常に心配していたようだ。これまで銀行が保有する国債はリスクゼロ資産とされていた。しかし、スイスに本部を置くバーゼル銀行監督委員会では、国債をリスク資産とみなし、格付けに応じて査定するように銀行の審査基準を変更する議論が始まったという。
   黒田さんはそのことを詳細に説明した上で、『基準が見直されれば大量の国債を保有する日本の金融機関の経営が悪化し、国債が売れなくなって金利急騰につながりかねない』と指摘した」>

   つまり、金融政策の責任者である黒田総裁が首相の前で、日本国債はもうダメかもしれないと弱音を漏らしたと週刊ポストはいうのだ。当然ながらこの発言はオフレコになった。

<黒田日銀は2%のインフレ目標を掲げて「異次元の金融緩和」を進めた。本来、物価が2%上がれば金利も2%上昇する。そのままでは巨額の借金を抱える国家財政はゼロ金利の時代より利払いが増える。もし2%インフレが35年続けば物価は2倍だ。現在1100兆円の国の借金返済額は2200兆円になる。これでは政府はうれしくない。
   そこでアベクロコンビは日銀が国債を大量に買い入れることで国債利回り(長期金利)を低く抑えた。物価は上がるが金利は上げずに国の利払いを少ないままにしたいのだ。これなら35年後に物価が2倍になっても返済額はほとんど変わらないから、借金は実質的に半分に減る。
   それが「インフレと低金利の両立」というアベクロノミクスの詐術である>(週刊ポスト)

   だが、これだと資産を持っている者は目減りし、借金をしている人間が得をする。そうなると国債暴落が起きるかもしれないので、政府は強制的に国の借金を減らす方法、すなわち預金封鎖という手を考えているというのである。戦後ドイツの預金封鎖を研究した相沢幸悦埼玉学園大学教授がこう指摘する。

<「中東情勢悪化で原油価格が反騰したり、中国経済危機、あるいは日本の経済収支の赤字が予想以上に悪化するといったきっかけひとつで日本国債の暴落が始まってもおかしくない。
   いったん国債の売りが始まれば、金利は一気に上昇に転じ、政府は巨額の借金の利払いに耐えられない。いよいよ借金の元本を減らすしかなくなる。最も考えられるのは預金封鎖によるデノミや新円切り換えとセットで行う1650兆円の個人金融資産や不動産への財産課税です。政府税調では数年前から預金封鎖が議論されてきた」>

   週刊ポストによれば、国は着々とその準備を進めてきたという。<今年から相続税が大幅に増税され、来年1月からはいよいよ全国民に「マイナンバー(社会保障・税番号)制度」が導入される。政府税制調査会はマイナンバーの利用を銀行口座など資産の名寄せに拡大することを検討しており、国民がどれだけの金融資産や不動産を所有しているかを網羅的に把握しようとしている。資産課税の準備である>

   政治家どもは自分たちが膨らませてきた借金の尻ぬぐいに国民の資産を使おうと虎視眈々と狙っているというのである。少しばかり株が上がったからと喜んでいる場合ではない。

新聞・テレビが報じない「東日本被災地の犯罪急増」レイプ、詐欺、窃盗、カルト教・・・

   東日本大震災からきのう11日(2015年3月)で4年が経った。メディアはさまざまな形でこの4年間を振り返る特番や特集をやっていたが、今週号で『アサヒ芸能』が取り上げているような「視点」から見ているところはどこにもなかった。アサ芸は「被災地の性ビジネス&新犯罪現場」を直撃ルポしている。

   被災地ではいまだに避難所暮らしを強いられている人たちが多くいる。なかには「性」のはけ口を求める人もいるだろうが、そういうことに触れるのは大メディアでは「タブー」になっている。だが、震災の復興作業などで作業員や自衛隊員が大挙押しかけ、11年の6月から8月にかけて「震災バブル」が起こった。風俗は人手不足で、鹿児島など遠方から面接に来た女性もいたそうだ。1日10万円稼いだ女性もいたという。しかし、そうした客に不快な経験をしたデリヘル嬢もいた。

<「とりわけ記憶に残っているのが、福島市内で住宅や下水道の除染作業員として働く男性客が口にした言葉だ。
   11年秋頃、40分コースの洗体プレイを希望したその作業員はA子さんの服を脱がすなり、
『俺の体は放射能で汚染されている。全身をナメ回してキレイにしてほしい』
と、薄ら笑いを浮かべながら求めてきたという。
   関西出身の土木作業員は、高級ブランドの長財布から札束を取り出し、
『金ならいくらでもある。ええやんけ。何でアカンねん。一発ヤラせろ』
と、強引に襲いかかってきたことも・・・」>

   風俗産業は被災地の性を支えたが、それでも震災の混乱に乗じた猥褻事件が多数発生していたという。<11年4月8日、岩手県盛岡市では、生命保険会社の男が震度5強の余震による停電の影響でオートロックが解錠されているマンションに侵入、19歳の女性をレイプしている。「あるいは、津波により壊れた自宅に戻った女性を襲ったり、避難所生活の女性をガレキの裏に連れ込んでレイプする事件や下着泥棒も......」(社会部記者)>

   テレビや新聞では、略奪や暴動が起きない状況をたたえる報道が目立ったが、実態はそうではない。警察庁の発表によると、震災発生から4カ月間で岩手、宮城、福島の3県で発生したATM窃盗事件は56件(未遂7件)にも。こうした「火事場泥棒」の被害総額は7億円以上とされている。犯罪ジャーナリストの丸山佑介氏は、犯罪形態の『変化』を指摘する。

<「震災発生直後は被災沿岸部に窃盗のプロ集団が現れ、電線や銅線などの盗みが多発。そのあとは巨額の復興予算を私的流用するNPO法人や、被災者と偽り、手当てを不正受給する行為などが目立つようになりました」>
   震災から4年が経ったが、今度は新たな犯罪へと移行しているという。<「電力、ガス会社の社員をかたり『地震後の点検作業』だと言い、高額な料金を請求する点検商法やリフォーム詐欺が発生しています」>

   カルト宗教団体が被災地を跋扈している現実も見逃せないそうだ。こうした「負」の現実はテレビや新聞で伺うことはできない。惜しむらくは、もう少し丁寧な取材と証言があればと思うが、大事な視点であることは間違いない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか