母親の故郷である沖縄をもっと知りたいと歩いている「ピカピカ☆日本」コーナー担当の篠山輝信は、きのう27日(2015年5月)に続く後編では、普天間から辺野古をめぐった。
米軍普天間基地の南にある沖縄国際大学構内に米軍ヘリコプターが墜落したのは2004年8月だ。「墜落したこのあたりで、校舎が壊れました」と大学職員の山入端太一さんが指さす先には薄汚れた白壁があった。壁には横一線の黒いシミがある。ヘリコプターのプロペラで傷付けられた跡だ。
在学生は言う。「飛行機の騒音は日常茶飯事だし、危ない事はわかっているけれど、アルバイトなどで基地に助けられています」。一方で、高齢者は「飛行機が来るとテレビが見えなくなるし、爆音も夜の11時まで続いて、そりゃあ迷惑ですよ。基地がなくならないと変わらないよ」
篠山「70年間の基地隣接でもう慣れたという感覚もあるようでした。とにかくなんとかして欲しいというのが本心だと思いました」
名護市・辺野古の沖合にオレンジ色のブイが広がって、埋め立ての滑走路建設の現場が真近に見える。青い海をコンクリートで埋め立てる姿を想像して、篠山は「シンプル言って、もったいないですよ、これは」
地元の人々はどう思っているのか。「それ聞くのはマズいと思うよ。わかっていても、みんな口に出さん。言えないよ」と取材拒否ばかりが続く。辺野古の街でようやく重い口を開いた若い青年は言う。「子供はいなくなって、地域をどうするか本当に悩みます。美しい浜がコンクリートでなくなるのはさみしい。でも、基地がくるのはやむ得ないかも」
篠山は黙り込んだ。
(磯G)