2024年 4月 25日 (木)

「北里大の3奇人」大村智教授の悪ガキ時代!喧嘩っ早くて荒っぽくって利口ではなかった・・・

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   NHKが40年前に制作した「褐色の風土」というドキュメンタリーが残っている。アフリカで蔓延していたブヨによって媒介される寄生虫病「オンコセルカ症(河川盲目症)」の実態を取り上げたものだ。村に住む男たちは必ず失明する。20歳を過ぎるころから視力が衰え始め、数年後には完全に見えなくなる。失明した大人たちは子どもの手を借りて生活する。寄生虫がリンパ節に入り込むと、足がゾウの足のように腫れ上がり歩行できなくなる。

   この悲惨な状況を救ったのが、ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(80)が開発した抗寄生虫薬「イベルメクチン」だった。伊豆のゴルフ場で採取した土壌に含まれていた特殊な菌エバーメクチンをアメリカの大手製薬会社に提供し、イベルメクチンが誕生した。

   今でもアフリカを中心に28か国、年間1億2000万人に無償で提供されており、ガーナ大学野口研究所のマイケル・ウィルソン教授は「大勢の人を病気から救ってくれました。本当に素晴らしい薬です。今や若い人たちに病気の心配はありません」と感謝する。

研究資金ないから動物向け新薬に取り組んだ

   大村教授が生出演した。「人々を寄生虫の恐怖から救い出す薬が大村さんの発見した微生物から生まれたわけですが、やったあと実感されたのはどんな時でしたか」と国谷裕子キャスターが聞く。

「一番実感したのは、2000年にアフリカの現地に行ったときです。今回、子どもたちに囲まれてピースサインをしている写真がテレビで使われていますが、そばの大きな木の下にはみんな目の見えない大人たちがいたのです。ああ、良いことができたなと思いました」

   国谷「採取した土壌に菌があったとしても、きちんと分けて培養し、化学物質に到達しなければ発見できなかったわけですよね」

「そうなんです。これが私どもの研究室の特色で、土壌を採取し菌を選り分けて培養、作っている化合物の構造を決める作業で4教室あります。それが一丸となってやっているんです。これがなければとてもここまで来れなかったですよ」

   国谷「北里大からは、自分でお金を取ってこなければ研究資金は出ませんよと言われたと聞きます。自分で資金調達をしなければできなかったわけで、そこで動物薬の開発に乗り出したのでしょうか」

「人が使う薬を開発するには大会社並みの資金がいります。特色を出そうと考えたのが動物薬でした。成功したのが動物向けの寄生虫薬だったのです。イベルメクチンが有名になっていますが、われわれの間ではもっと有名な薬があるんですよ。それができたのは団結力の積み重ねです。
ある教授から『大学に3奇人がいるが、誰か知っているか』と聞かれたことがあるんです。2人は分かったが、3人目がどうしても出てこないでいると、『お前だよ』と言われました」
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