2024年 4月 19日 (金)

マイナス金利で金庫が売れる!?銀行に預けるよりタンス預金

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   16日(2016年2月)から異例の「マイナス金利」がスタートした。日銀が金融機関から預かっている当座預金の一部の金利が、0・1%からマイナス0・1%になった。金を預けた方が利息を払う。金融機関は預けるより貸し出しに振り向けるだろうと、それが狙いだ。だが、市場も金融機関も大混乱し、副作用も懸念されている。

   黒田東彦・日銀総裁は「賛成多数で決定」と言ったが、金融政策決定会合の賛否は5対4だった。反対の理由は効果の割に副作用が大きいという懸念、金融機関と預金者の混乱・不安だ。現に混乱は始まっている。

ローン金利低下でマイホーム購入チャンス?不動産バブルで価格高騰

   長期金利がマイナス0.005%と初めてマイナスになった。連動して住宅ローンの金利も下がるだろうと、不動産業界は期待をかける。マイホームセミナーは「マイナス金利」のメリットを説いて盛況だが、肝心の銀行がまだドタバタだ。

   中小企業向け融資が多い「西武信金」は日銀に預けた900億円のうち300億円を引き出した。金利を下げれば借り手はあると踏んでいるが、これから貸出先の掘り起こしにかかる。どれだけ需要があるかは未知数だ。

   新生銀行は預金金利をこれまでの0・3~0・35%から0・06~0・1%に引き下げた。当然、収益は悪化する。そこで預金以外の金融商品(投資信託など)の提案ができるかどうかと知恵をしぼる。

   保険会社も深刻な状況だ。契約者から集めた保険料を国債で運用してるが、国債の利回りは過去最低になった。株安と低金利は世界的だから逃げようがない。運用益が減れば、保険料率の引き上げも考えなければならない。「保険会社の使命を果たせなくなる可能性も懸念される」(日本生命)

   3年前に「異次元」金融緩和を打ち出してから、日銀は年間80兆円のペースで国債を買い入れ、金融機関に金を供給し続けた。経済活性化で「物価上昇2%」「デフレ脱却」が目標だったが、去年10~12月期はGDPの伸びも住宅投資もマイナスだった。物価上昇は実質ゼロ。

   「マイナス金利」導入は「サプライズが必要との判断から」とUSB証券の中窪文男氏はいう。「住宅投資は金利が下がれば回復するが、銀行の収益が下がると企業への貸し出しは伸びない。消費者へは少しマイナスに働くが、大きな影響はない」と見る。

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