2024年 4月 25日 (木)

トランプ、サンダースに期待するしかなくなったアメリカ八方塞がり!既成の政治ぶっ壊せ

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   アメリカ大統領選に異変が起きている。共和党でトップを走るドナルド・トランプ氏は政治経験ゼロ、豊富な資金力と過激な発言が売りだ。民主党は本命のクリントン前国務長官が、バーニー・サンダース上院議員に追い上げられている。ともに既成政治への失望が産んだ現象だ。

過激な主張・政策に引き寄せられる白人貧困層、若者たち

   トランプは資産総額5000億円といわれる不動産王で、4度の経営破綻を乗り切った実績で「職を創りだしたのが誇りだ」「偉大なアメリカを取り戻す」と豪語する。さらに、移民や難民への過激な発言が低所得層の不満を吸収している。「(不法移民対策に)国境に万里の長城を作って、費用はメキシコに払わせる」「貿易で中国と日本を打ち破る」「シリア難民はいらない。どんな奴らか知らない」といった具合だ。先週予備選のあったネバダ州はヒスパニック系移民が28%もいる。にもかかわらず、トランプは勝った。「トランプは正しい」と白人貧困層は夢を託す。

   サンダースはバーモント州選出のベテランだが、政治的には無名に近かった。その彼が若者に圧倒的に支持されている。ニューハンプシャー州の予備選では、出口調査で29歳以下で支持が8割を超えた。

   若者を捉えたのは、ウォール街と大企業の批判、公立大学の無償化、最低賃金引き上げなどの政策だ。アメリカでは禁句だった「社会主義」という言葉まで口にした。「富が1%の富裕層に集まるのは間違いだ」「アメリカを変える唯一の方法は、ウォール街と大企業に立ち向かう勇気を持つことだ」「政治革命の始 まりだ」と言う。「最も影響を受けるのは、君たち若者だ」も決めゼリフだ。

   ニューハンプシャーの大学生(19)は学生ローンが卒業時には8万ドル(約900万円)になる。奨学金が得られないと、貧しい学生は学生ローンしかない。全米で大学生の7割がローンを組んでいる。借金は平均3万ドル(349万円)という。サンダースの「公立校無償化」の意味がいかに大きいかがわかる。

   サンダースがもう一つ特異なのは選挙資金の集め方だ。大企業や富裕層からの大口献金を受けず、15ドルからの小口献金ばかり。テレビのコマーシャルでは「健全な財政の唯一のキャンペーン」とうたい、先月末までで9500万ドル(100億円以上)を集めた。「僕らが彼を支えている」と先の大学生はいう。

来週3月1日「スーパーチューズデー」で本選出馬・撤退決定

   当初は泡沫候補とされていた2人がなぜ躍進したのか。共通点は既成の政治の枠外ということがひとつ。形は違うが、有権者が望む「変化」を背負っているのもひとつ。根底には社会の変化がある。

   自分は「中間層」と思うか、「低所得層」と思うか、という調査がある。2008 年から14年の間に、「中間層」は53%から44%に減り、「低所得層」は25%から40%に増えた。変化(チェンジ)を掲げて登場したオバマ大統領のもとでチェンジは進まず、格差はむしろ拡大した。人々の生活も低下したことがわかる。

「期待が裏切られた怒りを、トランプ、サンダース両氏が刺激している」と慶応大・中山俊宏教授は説明する。しかし、選挙戦がここまで極端に展開するとは予想できなかったともいう。「アメリカは常に、あすは『向こう側(いい生活)』へ行けるという希望(アメリカン・ドリーム)があったんです。格差を口にするとドリームがなくなるから、これまで政治問題にならなかったんですが、いまの格差は乗り越えられないと感じているフシがありますね」

   選挙戦の行方も「まだ揺り戻しがあって、バランスをとると思うが、読めない」と中山教授はいう。女性有権者が「トランプかサンダースか迷う」といっていた。多くの州で予備選が行なわれる来週3月1日のスーパーチューズデーで、2人の本選挙出馬か撤退かが決りそうだ。

ヤンヤン

*NHKクローズアップ現代(2016年2月25日放送「大統領選挙に『異変』あり~アメリカ社会に渦巻く不満~」)

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