福島・浪江町「帰宅困難地域」もう戻らない・・・帰還諦めはじめた町民たち

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   東日本大震災・福島原発事故で福島県浪江町は約2万人の住民全員が避難を余儀なくされている。浪江町の馬場有町長は「みんなで町に戻る」「全町民帰還」というビジョンを掲げたが、避難生活は長期化し、町に戻りたいと希望する人は減っている。「(復興に)時間がかかり、浪江町への帰属意識がだんだん薄れています」と馬場町長は話す。

「墓も移せない」遺骨の放射線量高く持ち出し禁止

   国は来年春(2017年))までに帰還困難区域を除いて避難指示を解除し、「一人でも多く帰還してもらう方針」(国谷裕子キャスター)で、浪江町は町役場を含む全体の2割ほどの地域で避難指示が解除される見込みだ。

   しかし、かつての暮らしを諦める町民は増えている。昨年の町の調査では「町に戻りたい」が17・8%に対して、「戻らない」は48%にのぼった。町の中でも帰還困難区域は「戻る」「戻らない」の選択もままならない。

   帰還困難区域の津島地区で暮らしていたある一家は、いまだ放射線量が高いため自宅に戻る回数が制限され、思い出の品を自由に持ち出すこともできない。家族の墓から遺骨を移そうとしても、骨の線量が高いために持ち出せないという。

除染と賠償求めて集団訴訟

   昨年9月に、帰宅困難地域などの町民約600人が除染と賠償を求めて訴訟を起こした。国からは慰謝料として一人当たり700万円が支払われているが、除染は手つかずで、帰還の可能性の有無さえ示されない状況への怒りがある。

「やっぱり帰りたい気持ちがありますよ。帰りたい気持ちがあるから、ずっとこうやって(諦めずに)いたいと思う。生まれ育ったところだしね。普段は笑ってても、やっぱり考えると悔しいです」(提訴している住民)

*NHKクローズアップ現代(2016年3月8日放送「シリーズ東日本大震災 浪江町民 それぞれの選択」)

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