2024年 4月 25日 (木)

週刊文春が手ぐすね引いてる「野球賭博」もっと大物や他球団選手の名前すっぱ抜き

   今週も『週刊文春』の勢いが止まらない。読売巨人軍の野球賭博問題を追及し続ける週刊文春は、一軍の貴重な中継ぎとして存在感を増してきていた高木京介投手(26)までが手を染めていたことを掴んだ。高木と巨人軍側に取材を始め、あわてた巨人軍が高木に聴取し、高木本人がその事実を認めた。その結果、渡辺恒雄最高顧問、白石興二郎オーナー、桃井恒和球団会長までが辞める事態となったのである。

   巨人軍は週刊文春発売前の3月8日(2015年)に緊急記者会見を開き、9日夕方には高木にも記者会見させ、「野球賭博に関与してしまい、巨人の関係者や選手、小学校から野球をやってきて携わってきた皆様を裏切ってしまい本当に申し訳ありませんでした」(NHK・NEWSWEBより)と謝罪させた。

   そのためか、記事の扱いは2ページと少ないが、週刊文春の余裕を感じる。だが、ここにも巨人軍側を震え上がらせる記述がある。笠原、松本、高木などから野球賭博を請け負っていたB氏は、現在、海外に高飛びしているそうだが、彼と巨人軍の法務部長(当時)の森田清司氏とのLINEでのやりとりが掲載されているのだ。

   森田氏は「笠原を巻き添えにしたくない」「球団としても出来るだけ軽い処分にしたいと思っています」と、B氏に対して大事にしたくないと『説得』していたというのである。これが事実なら、巨人軍のこの問題に対する認識の甘さ、危機意識のなさに呆れ果てるしかない。

   週刊文春は<本誌の野球賭博に関する取材の過程では、大物選手から二軍選手まで、様々な名前が浮上している>としている。常識的に考えて、この問題は巨人軍だけにとどまらないはずである。「怖い人だと実感した」(高木氏)渦中のB氏を掴んでいる週刊文春は、舌なめずりして巨人軍の大物選手や他球団の選手の名前をいつ公表しようか、時期を見ているに違いない。

   そうなれば、もうすぐ始まる公式戦など吹っ飛んでしまう。ちょっと賭けるぐらいと軽い気持ちでやっていたのだろうが、暴力団はそこが付け目である。一回引きずり込み、酒を飲ませ、女をあてがえば、野球選手などどうとでも操れると考えたはずである。この闇はそうとう深いはずだ。相撲の八百長事件のように、公式戦を中断して全選手の調査をするということになるかもしれない。

いよいよ下司になってきたゲス極・川谷絵音!謹慎ベッキー尻目にライブで言いたい放題

   同じ週刊文春にベッキーの不倫相手だった「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音(27)のインタビューが載っている。ベッキーはこの騒動のおかげで仕事を休んで蟄居しているそうだが、男のほうはかなり脳天気にあちこちでいいたい放題だという。

   スキャンダルでも有名になれば、怖いもの見たさもあるのだろう。川谷のコンサートチケットは即日完売が続いているそうだ。騒動の中で発売されたアルバム「両成敗」は、タイトルの引きもあってオリコンで第1位になった。マスコミをシャットアウトしたファンの前で川谷は、「ネットとかでみんな『謝れ』って言うけど世間の誰に謝ればいいの? 正直、内輪での話だからみんな関係ないじゃん」といっていたという。

   週刊文春は電話で川谷と話し、こう聞いている。

   <――「謝れっていうけど誰に謝ればいいの」というのは、ネットに対してとおっしゃっていましたが、奥様に対する謝罪のお気持ちは持たれているんですか。

「はい。それはもう、奥さんとは何回も話をして、『申しわけございませんでした』という話は。何度言ったからといって変わるわけじゃないんですけど、あの、そういう話は二人の間ではしていますね」

   ――まだ結婚生活は続けているんですか?

「えーっと、もう別居中ですね。ずっと」

   ――離婚に向けて協議を進めている状態ですか。

   「そうですね。二人でちゃんと話し合いを今、しています。はい」>

   週刊文春によれば、ベッキーは家で関係者に詫び状を書く日々だという。男のほうは満員のライブで「不倫は男の勲章」とばかりに軽いノリでしゃべりまくっている。これでいいのか、と思うのは私だけではないだろう。

高市早苗総務相「大臣のイスより危ない妻の座」夫・山本拓議員は「非安倍で冷や飯暮し」

   今週は週刊文春と週刊新潮が高市早苗総務相(55)を取り上げているが、どちらも私にはピンとこない記事である。高市氏を取り上げる理由は、放送事業者が政治的公平性を欠く報道を繰り返した場合、ときの総務大臣が電波停止を命じる可能性があると衆院予算委員会で発言したからだ。

   週刊文春は高市氏が「嫌われる理由」というタイトルで、彼女の学生時代や松下政経塾、アメリカの左派議員の事務所で働いていたことを縷々述べている。選挙に出でたときのゴタゴタや、2回目の衆院選で新進党から出馬し、わずか2週間後に離党して自民党入りした節操のなさ、自民党では森喜朗元首相や安倍首相との近しい関係などを取り上げている。

   そんな中で読みどころは、彼女の夫・山本拓衆議院議員(63)の話だ。山本氏はバツイチ。なれ初めは高市議員が落選していた頃だという。<「私はバツイチで後援会から『誰でもいいから奥さんもらえ』と言われていた。彼女も落選中に誰か探せといわれていたらしく、『じゃあ一緒になりましょうか』となったのです」(山本氏)>

   何ともいい加減な結婚のようだが、これで上手くいくのだろうか。心配なのは2人の政治思想や政策が異なるということだ。<「一般的に言えば、右と左っていうかな。彼女は安倍さんの考えに近い。でも私は安倍さんのような右寄りグループに対して、『それは違うんじゃないか』と言ってきたタイプです。十二年の総裁選でも、高市は安倍さんの推薦人でしたが、私は石破茂陣営で徹底的に応援しました」(同)>

   そのためか、妻は安倍政権で要職を歴任しているが、同じ当選回数で夫のほうはまだ未入閣。妻に嫉妬することはないといっているが、本心はどうなのか。安倍政権が倒れたらこの二人も離婚ということになるかもしれない。

   週刊新潮は高市氏の発言は言論弾圧を招くと朝日新聞が何度も叩き続けているが、それには「違和感がある」といっているが、私にはそれこそ週刊新潮のいい方に違和感がある。たしかに、よほどの偏向した左翼的報道をしない限り電波停止はしないと「注釈」をつけてはいるが、テレビの現場や、特に経営者たちに与えた「萎縮効果」はかなりのものがあるはずである。

   それは安倍政権に『実績』があるからだ。放送番組に対する総務省(旧郵政省を含む)の行政指導は、1985年から2009年までで31件あるが、そのうち8件が第一次安倍政権時代になされているのである(『世界』4月号の「メディア批評」より)。

   同コラムはこう書いている。<高市氏はじめ安倍政権は、総務大臣による放送局への行政指導はあたかも当然のことだと見なしているようだが、全くの誤りである。日本のように放送行政を大臣が直接所管する仕組み自体が世界的には異例である>

   アメリカやイギリスは政府から一定の独立性を持った機関が担っているという。日本のように言論表現の自由の上に政府があるかのようなやり方を許している国は、民主義国家ではない。それを許している大きな要因は、テレビ側の弱腰にある。権力に擦り寄ることが『経営』だと錯覚し、真っ正面から高市発言に異を唱える経営者などキー局の経営者にはほとんどいない。

   先日、テレビに出ているジャーナリストたち、田原総一朗氏や鳥越俊太郎氏などが「私たちは怒っている」と記者会見して見せたが、それほど怒っているなら全員テレビに出ることをボイコットしてみたらいい。あなたたちの不在を視聴者たちが怒り、彼らがなぜテレビに出ないのかを考えてくれれば、権力側にとって幾分かは脅威になるはずである。テレビで禄を食んでいながら権力批判をしても、国民への訴求力は弱いと思う。

快進撃「週刊文春」編集長の意気軒昂「スクープのためには手間と時間とカネ惜しまず」

   ところで、快進撃の新谷学・週刊文春編集長が「YAHOO!ニュース」(3月7日配信)で、ノンフィクション・ライターの森健氏からなぜ他誌はスクープがとれないのかと聞かれこう答えている。

   <「リスクとコストを考えると割に合わないからだと思います。スクープをとるためには、手間と時間とカネもかかる。しかも、スクープ狙いの取材を始めても、事実を詰められずにボツになることもある。あるいは、記事になっても、『際どい』スクープの場合は取材対象の政治家、経済人、企業、タレントなどから名誉毀損で訴えられる可能性もある。

   多くのメディアはスクープ記事のリスクとコストを考えて、数字が見込める『企画物』に行くことが多いように思う。読者、視聴者の関心が高そうで、安心安全なことを書くとか、発生もの(事件)をすこし詳しく書くばかりで、独自ネタに伴うリスクをとることに及び腰な気がします」>

   他の週刊誌の編集長はこの発言をどう聞くのか。穴があったら入りたいのではないか。

安倍政権「兵器爆買い」「思いやり予算」で米軍ぼったくり!自衛隊装備にしわ寄せ

   久しぶりに『週刊朝日』の登場である。安倍政権はアメリカにNOといえずに、いいように血税をむしり取られているというのだ。2016年度予算で防衛費は5兆541億円に上り、初めて5兆円を超えることになった。日本の防衛省がオスプレイなどを『爆買い』しているからだ。15年度にオスプレイ5機を機体単価約80億円で購入。14~18年度の「中期防衛力整備計画」で計17機を、関連装備も含めて約3600億円で導入する。

   しかし、爆買いをしたオスプレイが使えなくなる可能性があるというのである。現職自衛官がこう呟く。「FMSだからですよ」という。<「FMS(Foreign Military Sales)とは「有償軍事援助」と呼ばれ、日米の政府間での防衛装備の調達方法のことだ。日本企業のライセンス生産や、商社を通じて調達する方法もあるが、FMSならば、日本で開発されていない防衛装備や部品を同盟国として、米国から買い付けることができる。政府間の取引なのでコミッションも不要で、信用もおけるとされている」>(週刊朝日)

   だが、今はアメリカ側のいい値で買わされ、代金は前払いだが、納期はアメリカ側の都合で変更可能。それに加えて、民主党の大野元裕参議院議員がこう話す。<「政府が武器の購入を決定するまでに、どれほど価格交渉してるかが問題です。すべて米国から最終計算書が送られてくるまでは、本当に納入されるかどうかもわからない。スペアパーツなども保証されていないので、製造中止と言われれば終わりです」>

   しかし、そのFMSによる武器調達が異常なほど伸びているという。14年度の1873億円から2015年度予算額で4705億円と一気に2・5倍に増加している。オスプレイを5機、ステルス戦闘機F35Aを6機など高価な兵器を爆買いしたからだ。

   海自が誇るイージス艦の部品は何百万点とあるが、その多くは米国の特許でFMS契約となっていて、それによってこういう不都合があると軍事評論家の前田哲男氏が解説する。<「イージス艦は、船体とエンジンは三菱重工とIHIが製造します。しかし、基幹部分である戦闘システムはFMSで購入します。コンピューターとレーダー、ミサイルなどは機密とされ、日本のメーカーは製造にまったくタッチできません。メンテナンスやアップデートもアメリカ側が行うことになっています」>

   いくら買っても日本の技術を高めることにはならない。それにオスプレイに予算を取られるため、陸上自衛隊はヘリコプターを購入できない状態になっているという。軍事ジャーナリストの竹内修氏が説明する。<「オスプレイを17機も買うことになって、深刻なほどヘリの調達が減っています。陸自はUH1という多目的ヘリを130機保有していますが、年間数機が老朽化して用途廃止になっています。近年、災害が多発するようになっていますが、このままでは救助活動などにも支障が出る恐れがある」>

   日本の払うおカネはこれだけではない。日本の財政悪化を踏まえて、近年、削減傾向にあった「思いやり予算」だが、今年度は5年ごとの金額の見直しの年にあたり、政府は16~20年度の減額を求めていたという。だが、フタを開けてみれば、逆にアメリカ政府側に押し切られて増額という体たらく。年平均1893億円、総額133億円増で合意している。

   防衛省の在日米軍関係経費は、在日米軍駐留費に加えSACO(日米特別行動委員会)関係経費、米軍再編関係経費も含めると、日本側が負担する経費は5000億円を超える。うち約2000億円が本来は日本政府に支払い義務のない「思いやり予算」なのだ。

   基地で働く日本人従業員の賃金、米軍人の水道光熱費から米軍住宅、基地内の小学校や教会、ゴルフ場やテニスコートなどの娯楽施設の建設費も賄わなくてはいけないのである。アメリカよ、いい加減にしろと安倍首相ではいえない。この状態を植民地といわないで何というのか。戦後レジームを解体して憲法を改正するというのなら、まず、アメリカと対等にものがいえる首相にならなければいけないはずだ。その覚悟がなくて何が改憲だ。それともそれもアメリカの意向を汲んでのことなのか。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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