山口組「六代目VS神戸」全面戦争!むき出しになってきた縄張り争いと組員引く抜き

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   日本最大の指定暴力団・山口組と分裂した神戸山口組との抗争が全国で繰り広げられている。これまで70件、うち7件が発砲事件だ。一般市民の巻き添えが懸念されるが、外からは何が起こっているのかわからない。

   発端は昨年(2015年)8月だった。六代目篠田建市組長の山口組を割って、井上邦雄組長が神戸山口組を名乗った。いわゆる「逆縁」で「盃」を返したのだ。六代目篠田組長は暴力団対策法や暴力団排除条例など警察の規制強化に対抗して、内部の統制を強化し、上納金を厳しく取り立て、幹部人事も自分の弘道会(名古屋)系で固め、「弘道会方式」と呼ばれた。井上組長はこれに反旗を翻したのだった。

抱き込み、裏切り、恫喝、襲撃・・・何でもあり

   井上組長が分裂のときに賛同者を求めて各地の組に送った文書があった。山口組創立百周年をうたい、たどった苦難の道を振り返って、「任侠道の本分を重んじる」自分たちこそが本来の山口組だと正統性を主張して、六代目山口組の切り崩しを図る内容だった。送り先は組内部で冷遇されている者、破門・絶縁・廃業者だ。六代目が厳しかった上納金を月65万円から10万円と軽減し、新規に組を組織する者には1000万円の支度金を用意するなどとあった。誘いの電話も飛び交った。

   これまで分裂した組織に山口組は苛烈だった。1989年の一和会との山一抗争では凄惨な暴力で叩き潰した。だから、誰もが神戸山口組はすぐに負けると思っていた。だが、そうはならなかった。警察の情報では、直参と呼ばれる幹部は当初の13人が23人に増えた。分裂前の山口組構成員2万3400人。いまは六代目傘下1万4100人に対して、神戸山口組は6100人にまでなった。弘道会の本拠の中部地区では六代目側が多いが、関西・中国では神戸側が上回る。東北・北海道でも神戸側への寝返りが出てきている。

   六代目の元幹部が匿名で話した。「すぐ負けると思っていた。こんなに頑張るとは。(神戸側から)電話で、飯食おう、来てくれへんかと。細かい気配りにびっくりした。六代目はシロアリみたいに食われていく」

   六代目側は「内紛している場合ではない。軽挙妄動を慎め」と文書で指示を出した。ある幹部は「喧嘩するな、街へ行くな。本当なら『やっちまえ』だが、私たちから仕掛けることはない」という。若い者がことを起こせば、「親父が持って行かれる(捕まる)」からだ。

   だが、ことは起きた。2月に福井・敦賀市の神戸系組事務所に銃弾5発が撃ち込まれた。前出の元幹部は「六代目側の焦りやろね。チャカ(拳銃)の1発がスタートライン」と言った。その後も水戸、富山、京都などで発砲事件が続く。敦賀の事件で逮捕された六代目山口組の男(38)は「神戸山口組を名乗る方々へ。あなたたちに大義はない。私個人の警告を込めた行動です」という声明文を警察に送っていた。組織との関わりはないというのだ。だが、男を知る関係者は「あいつに文章は書けない。まして拳銃をどうやって手に入れたんだ」と背後関係を匂わす。

警察庁は異例の速さで神戸山口組を指定暴力団

   暴力団関係に詳しい三井義廣・弁護士は「厳しい警察の規制の中で、縄張りと組員の取り合い」という。取材したNHK名古屋局の伊藤竜也・デスクは「抗争も質的に変化した」と、ネットを使った動画による挑発や誹謗文書の登場を伝えた。

   警察庁は7日(2016年4月)に神戸山口組を指定暴力団とした。「これによって、一時的には抗争は治るだろう」と三井氏は見るが、根絶できる策はないという。警察が規制を強化をするたびに暴力団は形態を変えて生き延びてきた。篠田組長は、暴排条例などで廃業に追い込まれた暴力団員が野放しになることを恐 れていた。内部統制の強化は生き残りのためでもあったはず。それが造反で崩れたとはなんとも皮肉である。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代+(2016年4月7日放送「独占取材 山口組『分裂抗争』の内幕」)

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