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テレビ局警備員にも1人1人挨拶して帰るバラエティーのあの人気者・・・苦労した人はやっぱり違う

   芸能人はイメージがすべてだから、それが崩れてしまうといかに回復が大変かはみなさんご存じのとおりです。いつどこで誰が見ているかわからないという恐怖を、恐怖と思わない鋼の精神力と、いつ見られても世間が抱くイメージ通りの自分でいられるというセルフプロデュース力を持っている人が、芸能人という職業に就けるのだ。

   自宅で一人でいるとき以外は常に監視カメラの前にいるような感じなんだろうな。ほんと、あの仕事はおいそれと誰もができる仕事ではないと思う。

ド派手でおバカなイメージ一変

   先日、某局でいかにも芸能人ですとアピールしているようなド派手な服装の人を見かけた。極彩色のパーカーにキャップから出た金髪、少し猫背で歩く様子は、後ろ姿だけでアノ人だとすぐにわかる。かつては音楽界を牽引した時代の寵児で、その後も音楽番組ではカリスマと紹介されていた人だ。

   その後は「あの人は今」状態になったが、実は強烈な個性の持ち主だったことがバラエティー番組でわかり、数字を持っているタレントとしていま重宝されている。

   そんな彼が、玄関に立っている警備員の一人一人に立ち止まって「ありがとうございました」とあいさつしているのだ。その日は警備員がいつもより多く、5人ぐらいいたと思う。自分も仕事を終えて疲れているだろうに、一人ずつ丁寧にあいさつをしている。

   そもそも、警備員さんに挨拶していく出演者なんて見たことがない。無視してスタスタ歩いていく人が大半だ。彼はマネージャーと思しき人と別れ、タクシーに乗り込む際も、お辞儀をして去って行った。身内に対しても丁寧な人と見た。

   ド派手でちょっとオバカなイメージを抱いていたが、なんて紳士なんだろうと好感度グングンアップ。やっぱり絶頂期と低迷期を味わった人だからだろうか。人が見ていないようなところでこそ、その人の人柄が出る。

テレビに映っていないときに地が出てしまう芸能人

   打ち合わせをしていても、私たちスタッフは出演者がどんな状態で話を聞いてくれているのかを凝視しているようなところがある。番組の説明をするディレクターの話をどの程度聞いているのか。さすがにスマホ片手に聞く人はいないが、台本に目を通すわけでもなく、ずっと下を向いたままのタレントさんだって多い。

   「あの、話聞いてます?」と聞きたくなるような態度で、これで番組でいいパフォーマンスをしてくれていれば、あの人はオンとオフを切り替えるタイプの仕事ができる人という評判になるけれど、1回でも番組で滑ったら、あいつはやっぱりダメなタレントだと命取りになりかねない。

   芸能人はテレビに映っていないからと油断していると、思わぬところで評判を落としてしまうものなのである。

モジョっこ