2024年 3月 29日 (金)

「宇宙の誕生」が目撃できる!?アインシュタインの宿題「重力波」キャッチで天文学に革命

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   アインシュタインが100年前に予言した重力波の波形を捉えることに成功したと、国際研究チーム「LIGO」(ライゴ)が今年2月(2016年)に米学術誌「フィジカル・レビュー・レター誌」に発表した。はるか13億光年離れた2つのブラックホールが合体する際に発したかすかな重力波を捉えたもので、ブラックホールに詳しい英国のスティーブン・ホーキング博士も「天文学に革命が起こり得る」と評価している。

「国中の干し草の中から1本の針を探すようなもの」

   重力波の確認はアインシュタインの最後の宿題と言われてきた。簡単に言えば、重さのある物体やエネルギーが動くと空間が歪み、波のように周囲へ伝わって行くという考え方だ。相対性理論でその存在を予言したが、100年の間、実証することはできなかった。

   研究チームのトップを務めるデイビット・ライツィ教授は「重力波を探すことは、国中の干し草の山の中から1本の針を探すようなものでした。私たちは新たな望遠鏡を手に入れたのです」と誇らしげに話す。

   どうやって重力波を捉えたのか。LIGOはタテ、ヨコ4キロの同じ長さの真空の管2本を直角に組んだ重力波検出装置を建設した。仕組みはこうだ。真空の管の中にレーザー光を飛ばす。光は途中で2つに分かれたあと、両先端にある鏡で反射する。普通は返ってくる光のタイミングはピッタリ同じだが、重力波が来ると空間が歪むためにタイミングにズレが生じる。これを観察できれば重力波の存在が証明される。

   ところが、思わぬ難問が発生した。検出装置は1000キロ離れた場所のわずかな振動も捉えてしまい、これでは正確に観測できない。振動を打ち消す振り子を4段重ねて障害をなくすことに成功したが、原因不明のノイズもあった。これを除去したのは日本人研究者たちだった。ノイズ調査の現場責任者である河邉慶太研究員は「施設の周囲にセンサーを設置し、ノイズ発生源を一つひとつ潰していった」という。

文   モンブラン
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