2024年 4月 19日 (金)

サービス残業なくなってない「ユニクロ潜入ルポ」名前変えて1年間働いた告発本ジャーナリスト

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   このところ週刊新潮に読みたくなるような記事が少ない。合併号でもないのに巻頭からワイド特集。30本と数はあるが、週刊新潮らしいひねりのきいた読み応えのある記事がないのはどうしたことか。

   週刊文春もこのところ誉められた内容ではない。今週の巻頭はジャーナリスト横田增生氏の渾身ルポ「ユニクロ潜入一年」。期待して読んだが、何やら奥歯にものが挟まっているような内容である。横田氏が潜入しようと考えたのは、「ユニクロ帝国の光と影」を出版した際、ユニクロ側から名誉棄損だとして版元の文藝春秋に対して2億2000万円の損害賠償を求める裁判を起こされたことからだった。

   裁判は週刊文春側の勝訴で決着がついたが、柳井社長がインタビューで、悪口をいっているのは僕と会ったことのない人がほとんど、うちの会社で働いてどういう企業か体験してもらいたいと発言したことに、それじゃあやってやろうじゃないかと、1年前に「法律に則って苗字を変え」(横田氏)て、アルバイトに応募したのだ。

   彼はすでに50歳を超えていたが無事に採用された。冒頭は、毎年11月下旬に7日間(2015年は4日間だった)開催された「ユニクロ感謝祭」というイベントの慌ただしさから始まる。社員や準社員は午前9時から午後11時半までという勤務が5日連続、中には7日間連続という人もいたという。横田氏は3日間だけの勤務だったが、社員から「人手が絶対的に足りない、心が弱い子だと心が折れてしまう」と懇願され、5日間働くことになったという。

   10時に閉店してからも11時半までに服をたたみ終えなくてはいけない。筆者が担当したのはレジ作業だったが、12台が稼働するレジは閉店時間まで客の列が途切れることはなかった。

   <ほとんど動かない立ち仕事にも関わらず、じっとりと汗をかくほどにレジの中は暑い。(中略)一時間、二時間と時間がたつにつれ、肩が棒でも入ったようにこわばり、頭の後ろがジンジンしびれてくる>

   この大イベントの期間は大変なようだが、労働時間はブラック企業と批判されたことから、以前の月間労働時間240時間未満から、現在は繁忙期は220時間、閑散期は195時間と減っているそうだ。店長であっても週に2日は休みがとれ、以前は出ていなかった残業手当も店長に支払われているという。

   休憩時間も、筆者が10分早く切り上げようとすると、担当者(それを見ている人間がいる)が「あと10分休憩を取ってください」と注意され、追い返されるそうだ。それでも、1度退社したことにして働いている店長や社員はいるそうで、サービス残業はなくなっていないようだ。

   企業への潜入ルポとしては鎌田慧氏の「自動車絶望工場」が有名だが、当時はこうした取材方法が一部の選考委員からアンフェアだとされ、大宅ノンフィクション賞を受賞できなかった。原発の現場で働いていた堀江邦夫氏が「原発ジプシー」を発表したのは1972年だが、福島第一原発事故以降も多くの人に読まれている。

   それらに比べると、連載第1回を読んだだけだが、ユニクロルポには現場で働いている人たちの苦悩や葛藤が読む側に伝わってこない。これは時代が変わったからか、ユニクロという業種のせいなのだろうか。2回目以降に期待したい。

トランプにもプーチンにも舐められっぱなし安倍首相!カネだけ取られて北方領土返ってこない

   安倍首相は矢継ぎ早に弱者や高齢者を不安に陥れる法改正を進めている。民進党が「年金カット法案」と批判している年金制度改革法案もその一つだ。現役世代の賃金が下がると、それにあわせて年金も下げる。支給額を上げる場合でも増加額は毎年1%程度に抑える。

   厚生労働省も70歳以上が支払う医療費の自己負担の上限(月額)を引き上げることを目論んでいるという。年金が下げられた上に、医療費の自己負担が増える。病気の年寄りは早く死ねといわんばかりではないか。

   国内では驕りばかりが目立つ安倍首相だが、アメリカの風向きが変わったことで、得意にしていた外交では失点続きである。週刊現代は「赤っ恥をかいた安倍首相」と見出しをつけ、トランプとプーチンにナメなめられたと報じている。

   トランプと真っ先に会談したことで有頂天になった安倍首相は、APECでの記者会見で、記者からトランプはTPPを離脱するといったかと聞かれ、「TPPは米国抜きでは意味がない」と、あたかもトランプはTPPを離脱しない、自分が話せば何とかなると言外に匂わせた。だが、その会見が終わったわずか18分後に、トランプはビデオメッセージで「TPPからの離脱の意思を通告する」と発表したのである。やはり安倍首相はトランプと中身のある話はしていなかったのだ。

   赤っ恥はそれだけではなかった。APECでプーチン大統領と安倍は会談した。それまでは北方領土2島返還で「合意」していたかのようなニュアンスを漏らしていたが、この時に開かれた2人の会談では空気がガラッと変わったという。<「プーチン大統領はこれまでとは別人のようだった。ロシアとの関係改善を公的に掲げたトランプ候補が当選したことで、もはや日本など眼中にないということなのだろう」(外務省関係者)>

   何のために地元の山口県にまで呼んで首脳会談をやるのか。これではプーチンに北方領土返還カードをちらつかされて、多額の経済援助を引っ張られただけではないか。役者が違いすぎるということだろう。

   おまけに、ロシアはせせら笑うように、会談直後の22日に、北方領土の択捉と国後に新型の地対艦ミサイルを配備したと発表したのだ。ロシアのセポードニャ通信社のコツバ・セルゲイ東京支局長がこういっている。

   <「ロシア側は、南クリル諸島(北方領土)を日本に譲り渡すなどと言ったことは一度もない。 そもそも経済制裁を科してくる敵国に、領土を渡す国がどこにあるのか。クリミア半島を取り返したことでロシア国民から支持されているプーチン大統領が、日本に領土を渡したあら、とたんに支持率が急降下して、ロシアで政変が起こるだろう」>

   アメリカやロシアには安倍が得意の「札束外交」が功を奏さなかった。当然のことだろうが、安倍の命脈が尽きる予兆だと私は思う。

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