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週刊現代「『第2もんじゅ』のずさんな計画書」は必読・・・次世代・高速増殖炉のまやかし 週刊誌の底力見る

   週刊現代が「総額4兆円をドブに捨てる21世紀の大バカ公共事業 巨大な赤字に!『第2もんじゅ』のずさんな計画書〈スッパ抜く〉」という特集を掲載している。

   高速増殖炉「もんじゅ」は、血税を1兆2000億円も注ぎ込んで、国民の大きな批判を受け今年9月に廃炉という方針が政府内で決定したはずだった。

   ところが週刊現代によると、10月から3回行われた「高速炉開発会議」で延命策を書き連ねた「計画書」が文科省によって示され、

「いつの間にか『もんじゅの延命』『次世代の高速増殖炉=第2もんじゅの開発』という方針が既定路線とされたのだ。『廃炉決定』の報道は何だったのか」(週刊現代)

   この会議は世耕弘成経済産業大臣が主催している。それに文科省大臣、日本原子力研究開発機構理事長の児玉敏雄、電気事業連合会会長で中部電力社長の勝野哲、三菱重工社長の宮永俊一という5人で構成されているそうだ。

原発推進派ばかり集めた「談合会議」

   何のことはない、原発推進、もんじゅ稼働賛成の人間ばかりではないか。これでは結論ありきの談合会議である。この時配られた文科省の資料には、平成36年までに運転を再開、44年まで出力100%を続けると書かれてあったという。

   建造してから30年あまりも経つのに、たった1カ月ほどしか発電していない無駄の塊のようなものを、まだ動かすというのだから、この連中の頭の中を疑う。さらに今後稼働しても、売電収入はたった約270億円で、それにさらに5400億円以上を注ぎ込むというのだ。なのに誰からも「おかしい」という声が上がらなかったという。ふざけるなである。

   いくら巨大プロジェクトでも、権益が複雑に絡み合っていても、無駄なものは無駄、即刻止めるべきだ。

   たびたび冷却材のナトリウム漏れの事故を起こし、東日本大震災直前の10年には、3・3トンの中継装置が炉内に落下して、担当の課長が自殺している。こんな大事なことを国民の目から隠して、たった5人、それも利害関係者ばかりで決めるなどあってはならないことだ。

   安倍政権の驕り以外の何者でもない。だが大新聞はほとんど報じないのはなぜか。

   安倍よ奢るな! そう叫びたくなる週刊誌の底力を見せた国民必読の記事である。

「労基署」に過剰反応した週刊文春「電通特集」

   週刊文春の巻頭特集は「激震ドキュメント 電通の真実」。内容は文春らしくない表層を撫でただけの記事である。

   NHKのニュース番組が「電通には自浄能力がない」と批判した電通の若い社員の顔をぼかさなかったため、この人間は戒告処分となって、経理局へ異動させられてしまったそうだ。これはNHK側の完全なミスで、可哀相というしかない。

   契約社員だったAさんのケースが出ている。彼がついた先輩は夜型で、夜中の2時3時までメールを送ってきて仕事の指示をするため、寝不足が祟り体調を崩したそうだ。8月からは休みがちになり10月からは無断欠勤を続けたため、上司と退職に向けた話し合いをした。その席で、自己都合退社と会社都合退社(解雇)のどちらかを選べといわれ、自己都合を選んだという。

   その後、自宅での残業を申請していなかったため、労基署へ相談するといったところ、「労基署には行かないでくれ。その場合は解雇にするかもしれない。そうなると転職活動が不利になる可能性がある」といわれたそうだ。

   広報は、妥当な発言ではなかったと認めつつ、Aさんが長期欠勤をしていたことで「解雇事由」はあった、上司が会社と掛け合って自己都合退社にしてあげたが、労基署との件で揉めれば解雇になるのではないかと判断して説得したと説明し、会社としては解雇にするという対応はあり得ないと話している。

   まあ、Aさんに同情するところはあるが、長期の無断欠勤では退社はやむを得ないだろうし、電通側の対応が悪いと難詰するほどのものではないと思うのだが。

   東京労働局の強制捜査が入ったことで、労基署という言葉に過剰反応したのだろう。

   飲み会に誘われた六本木のバーで、電通社員にライターで腕を焼かれた女子大生の告発がある。酔った上での悪ふざけとはいえない傷害行為で、彼女は刑事告訴したそうだ。

   当人は、故意に火をつけたのではない、今の電通の置かれた状況に付け込んだ恐喝だとまでいっているが、裁判で決着をつけたがいい。だが、電通の社員の中にそうした社会常識のない輩がいることも事実であろう。

   昨年7月にフィットネスクラブ「RIZAP」から3億円を脅し取ろうとした3人が逮捕されたが、警視庁新宿署はそのうちの一人を「会社員」とだけしか発表しなかった。だが、この男は電通の社員で、金儲けができるとカネを集め、それが頓挫して1億円以上の負債を背負った末の犯行だったそうだ。

   警察は電通社員と発表せず、電通側もこの不祥事を公表しなかった。こうしたところにも電通の驕りが見えるが、これからはそうはいかない。何かあれば、あの電通社員がと特筆大書されるはずだ。

   この記事の不満は、度外れた残業や上司たちの部下へのパワハラは問題だが、電通といういち広告代理店をこうまでのさばらせた政財官とメディアの罪にほとんど触れていないことだ(森喜朗に対して献金を400万円しているとは書いてある)。

   有名企業や政治家の子弟、金持ちのバカボンをどんどん入社させ、クライアントから引っ張ってきた潤沢なカネを使ってメディアを萎縮させ、原発を含めた権力構造の中枢へ入り込んでいった電通という、日本社会が生んだ奇形企業の「真実」をこそ、暴いてほしいと思う。

何思う? 元カレに裏切られた成宮

   同じ週刊文春が、フライデーにコカイン疑惑を暴かれて引退してしまった成宮寛貴の告発者のことを報じている。

   週刊文春にもフライデーへ情報を提供した人物から「成宮の薬物に関する写真有ります」と売り込んできたそうだ。提供料は100万円だそうだ。このA氏について事情を知る関係者はこう話している。

「元々、A氏は成宮の元カレというか、長い間、セックスフレンドだったのです。成宮から生活の面倒を見てもらう一方で、バシリのように扱われていた。最近になって別れを切り出され、腹いせに成宮の薬物使用を暴露する気になったのです」

   男の間でも、きれいに別れるというのは難しいようだ。

   プロレスラーで元岩手県議のザ・グレート・サスケの息子で元モデルが、十年前に成宮から「無理やり肉体関係を迫られていたことが分かった」(サスケ)そうだ。

   成宮は十代の頃から弟とおばあちゃんを助けるため、新宿二丁目で夜の仕事を始めたという。店を訪れる芸能人から声をかけられるようになり、本人も芸能界入りを考えるようになったそうである。

   成宮は契約中のCMや出演予定作品を全て白紙にしてしまったので、違約金は1億円以上になるだろうといわれている。

   東南アジアに逃亡しているそうだが、薬物疑惑があるため、捜査当局も大きな関心を寄せているそうだ。せっかく掴んだ栄光を手放し、異国の地で何を思っているのだろう、成宮は。

天皇陛下「お誕生日会見」にびびる面々

   週刊新潮の巻頭で、天皇陛下が12月20日に予定されている「お誕生日会見」で何をいわれるのか、官邸は戦々恐々としていると報じている。

   有識者会議で、一代限りの退位という方向でまとまろうとしていることに、「いたくご気分を害されている。その後も新聞やテレビで報じられる会議の内容に触れて、ご不満を募らせていらっしゃるのです」(宮内庁関係者)

   秋篠宮も先月30日の記者会見で、自分も同じような気持ちを持っていると賛意を表していた。

   天皇が会見で再び生前退位について、恒久的な制度を望んでいると発言すれば、国民の大多数から安倍と官邸へのブーイングが起こることは間違いない。そうなれば、安倍の支持率に陰りが出ること必定である。ご自身はそう考えてはいないだろうが、反安倍の急先鋒に祭り上げられた感のある天皇が、何を語るのか、楽しみではある。

ツムラ生薬原料のトレーサビリティに疑義

   ところでツムラという漢方薬大手がある。かつては入浴剤のバスクリンで当てたが、多角経営や創業者一族の元社長による特別背任事件によって倒産寸前までいったが、漢方薬に特化した製薬会社として再出発し、昨年度の売上高1126億円という大復活を遂げている。

   私もここの「葛根湯」は風邪の引き始めに効くと愛飲している。週刊新潮は今年7月に役員会議で配られた内部文書を入手したという。

   その文書は、中国産の生薬原料からツムラが使用許可を出していない農薬が検出されたため、再発防止を図るために今後どのような対策を取るべきかが書かれているという。

   ツムラは、栽培手順や使用許可農薬の徹底、万が一の時には医療機関から原料生薬生産地まで遡れる生薬トレーサビリティ体制、生産団体の監視も行うという3本の柱があるという。だが、ツムラの幹部の話では、製造する漢方薬の原料は国内とラオスでもわずかに栽培されてはいるが、8割はあの中国で栽培されているというのである。

「誰が作ったのかを把握している農民は全体の約55%で約1万人。つまり、残りの1万人の生産者は誰かも分からなければ、農民たちがどんな栽培を行っているのかさえ、不明なのです」(ツムラの幹部)

   さらに衝撃的な一文が書かれていた。

「自分の家族に飲ませることができる生薬を供給する」

   おいおい、自社の家族には飲ませられない薬を売っているのか? 週刊新潮が広報担当者を直撃すると、こう答えた。

「この一文は、生産者としての意識向上、動機づけとしてのスローガンなのです」

   2005年に農薬の不適切な使用が発覚した際、中国の農民にどうすればわかってもらえるかと考え、この表現が家族を大事にする中国人が腑に落ちるということでつくった。したがって日本の社内向けではないというのだ。だが社の3本柱の重要な一つ、トレーサビリティが確立していなかったというのは、ツムラの信用を落とすのではないか。

   また、こうした内部文書がメディアに流れるというのは、社内で権力闘争が起こっているのではないか。再び、昔のような不祥事が起これば、ツムラは二度と立ち直ることはできないだろう。