2024年 4月 26日 (金)

「喫煙」罰則化!IOCは五輪開催国に受動被害の法規制要望

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   喫煙のルールが新たな法律規制で大きく変わろうとしている。厚生労働省はタタキ台として公共機関の施設内での禁煙、遊技場や飲食店内での原則禁煙を打ち出した。受動喫煙による健康リスクが判明したことや「たばこのないオリンピック」を進めるIOC(国際オリンピック委員会)が開催国に喫煙の法規制を求めているのを受け、受動喫煙防止の強化に踏み切ることにしたのだ。

   とくに屋内での喫煙を重視した厳しい規制で、違反した場合は罰則も検討されている。

   オリンピック開催地となったイギリスやブラジルでは、学校や病院といった公共施設だけでなく、飲食店も罰則付きの法律で禁煙となった。では、世界の常識からみて日本の現状はどうなのか。WHO(世界保健機関)のジュディス・マッカイ上級政策顧問が東京の喫煙事情を視察に来た。

   まず目についてスマホで撮ったのはたばこの自動販売機だったが、「スモーキングエリア」と書かれた屋外喫煙場所では「変わっていますね。こうした場所を他の国では見たことがありません」と評価した。ところが、レストランで一変する。喫煙室を設け、煙を外に出さないようエアカーテンを設置してあるのに厳しい指摘があった。「屋内では煙の拡散を十分防ぐことはできません。喫煙エリアの煙を100%防ぐには、竜巻並みのエネルギーが必要です。完全分煙など不可能です」

「屋内ゆるく屋外厳しい」日本の禁煙―世界の常識は逆

   日本では屋内での禁煙はあくまで努力義務で、罰則もなくゆるい。視察の結果、ジュディス上級政策顧問はこう総括した。「日本のたばこ政策は世界でも最低レベル。2020年までの4年間にたばこ規制を制度化することは重要な目標と思います」

   そこで厚労省が打ち出したのは、受動喫煙防止対策を強化する法律のタタキ台で、「役所や運動施設などの公共施設は建物内禁煙」「学校や病院などはより厳しい、敷地内を含め禁煙」「飲食店、パチンコ店などの遊技場は原則建物内禁煙。完全に区切られた喫煙室設置なら可」という内容だ。違反すると罰則を課す強い規制となっている。タタキ台を作った厚労省健康課の正林督章課長は「世界の常識を日本の常識にしていくという意味はあるかなと思う」と話す。

   その根拠になっているのが、国立がん研究センターが行った過去30年間に発表された喫煙とがんに関する論文の分析結果だ。受動喫煙によって、肺がんリスクは28%、脳卒中は29%、心筋梗塞など虚血性心疾患は23%それぞれ高くなることが分かった。受動喫煙による年間死亡者数は1万5000人と推定されている。

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