2024年 4月 19日 (金)

<キャバすか学園>(日本テレビ)       AKBのキャバ嬢たっぷり楽しむ!高橋朱里お客だませないホステスは『素』?

   アイドルドラマにリアリティはいらない。深みもいらない。クサすぎるくらいでちょうどいい。どんなに荒唐無稽でも、「ぐっ」とくる一瞬があれば観たかいがある。AKBの人気深夜ドラマシリーズ「マジすか学園」のスピンオフであるこのドラマも、高校生なのにキャバクラものという矛盾を成立させるために、なかなかの力技を繰り出してくる。校則は?という無粋な質問には、「留年しすぎて生徒はみんな18歳以上」「学校の経営危機を救うための期間限定バイトなので学校的にはセーフ」とちゃんと答えが用意されているところは偉い。  もちろん、最大の見せどころは現役アイドルのホステス姿。これに尽きる。結婚式かよと突っ込みたくなるようなミニドレスも多いし、キャバ嬢のトレードマークである盛りヘアでないメンバーも多い。だが、ミニドレスは綺麗な足を見せるため、髪型を大きく変えると普段とのギャップがありすぎてイメージが繋がらないという苦肉の策だと思えば、納得である。銀座のクラブというより六本木のガールズバーだけれど、全員が谷間がっつり見せという点は、「清楚さがウリの子はいないの?」と不安になるくらいの思い切りの良さだ。

おだててお金をむしりとるなんて性に合わない

   毎回スポットが当たるメンバーが変わる1話完結ものだから、途中からでもストーリーに入りやすいのも嬉しい。今回の主役は「自分のために法外なお金を落としてもらうことに抵抗のある」という設定の高橋朱里(源氏名はイワシ)で、「無理してでもお店に来て」「ボトル開けて」の一言が言えない。お客さんをおだててお金をむしりとるなんて性に合わないと話す姿に、素顔の高橋を重ねてしまう。  「私のためにたくさんお金使ってね」というのは、「握手会アイドル」として売れてきた彼女たちのリアルの姿に重なる。いくら歌やダンスに真面目でも、上手にファンの庇護欲をそそるメンバーにはかなわない。そのもどかしさを「役を借りて」高橋が語る。  ドラマの中、高橋は自分では「誕生日だから来て」の一言が言えなかった。けれど、店の仲間が「高橋はあすが誕生日なんです」と高橋の指名客にこっそり伝えたことで、盛大なパーティーが開かれる。高橋がファンの間でどんなキャラクターとして知られているのか知らずとも、この回の視聴者は「この子は真面目にファンのことを思いやる子なんだな」と合点できる。  現実のキャラクターとドラマの役を重ねていく構成は、「マジすか」シリーズに共通の手法だけにやっぱりうまい。ドラマを観て、売り出し中のメンバーとキャラクターに思い入れができるというのもなかなか美味しい。

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