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地震に弱い家・強い家ここが違ってた!急いで調べろ「直下率」

   大きな地震に襲われるたびに住宅の耐震基準は強化されてきたが、昨年(2016年)4月の熊本地震では2000年の最新基準をクリアした新しい木造住宅にも大きな被害が出た。「明暗を分けたのは住宅の直下率でした」と佐藤俊吉アナがリポートした。

1階と2階の壁・柱がたてにつながっているか

   「直下率って、初めて聞く言葉ですね」とゲストのお笑いコンビ「千鳥」のノブはいう。直下とは2階の壁と柱が1階の壁と柱に同じ面でたてに直結していることで、直下率が高ければ地震に強いということだ。2階にいくら壁や柱があっても、1階のリビングなどの開口部分の上に乗った形では耐震性は低い。

   熊本地震では、同じ最新基準で建てられた住宅でも、直下率が90%近い住宅はほとんど被害を受けなかったが、10%以下の住宅は倒壊した。「倒壊した住宅は2階の壁の下にはほとんど壁がない極端に直下率の悪い事例でしたね」と現場で被害調査をした工学院大の宮澤健二名誉教授はいう。

   井ノ原快彦キャスター「そういうことがクリアされているのが最新基準だと思っていましたけどねえ」

   佐藤アナ「直下率についてはそうはなっていないんです」

2階の床補強で強化

   では、すでに住んでいる家の直下率をアップすることはできるのか。直下率がどのくらいかは「1階部分と2階部分の図面のコピーを重ね合わせれば一目瞭然です」(名古屋大の福和伸夫教授)というが、「素人は分かりにくいし、図面がないことも多いよね」(柳澤秀夫キャスター)

   佐藤アナ「そうですよね。でも、2階が小さい家、1階に駐車場が組み込まれている家は直下率が低いと考えてください。おおざっぱにいえば、箱形の家は強いということです」

   福和伸夫教授はこんな対策を提案する。「大きく改築することは難しいでしょうが、2階の床を固く強くすることで効果を上げることはできます。フローリングや畳の下に構造用合板を張り付けるんです。こうすることで床が一体となってしっかり動けば、壁にかかる力が分散されます。また、天井裏から梁を強化する方法もあります。それぞれの家の構造に合わせた対策を選んでください」

   ただ、直下率という考え方は住宅メーカーにもまだ広がっておらず、「構造設計の専門家に相談するのがいいでしょう」(不動産コンサルタント・長嶋修氏)という。

(カズキ)