2024年 3月 29日 (金)

東南アジア拠点に巧妙化する北朝鮮の闇ビジネス 制裁は抜け穴だらけ

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   金正男暗殺事件で使用されたVXなど化学兵器開発や今月(2017年3月)に入り4発の弾道ミサイルを同時発射するなど北朝鮮の軍事力脅威が止まらない。

   オランダのハーグでこのほど、化学兵器の禁止と拡散防止の国際機関であるOPCWの執行理事会が開かれ、北朝鮮の深刻な化学兵器の問題に国際社会取り組むことで一致した。またアメリカのトランプ政権も対北朝鮮政策の抜本的な見直しに入った。

   では、国連の厳しい経済制裁のなかで兵器開発の資金をどこから調達しているのか。謎に包まれた資金調達ルートの一部、東南アジアを拠点に外貨を集める闇ビジネスの存在が浮かび上がってきている。番組でその闇ルートの実態に切り込んだ。

軍事機器のロンダリング

   金正男暗殺事件に関与したとしてマレーシア警察に一時拘束された北朝鮮籍のリ・ジョンチョル。マレーシアに籍を置いていた会社には勤務実態がなく給料も受け取っていなかった。この会社を隠れ蓑に闇のビジネスを行っていたとみられている。

   2年前に脱北した東南アジアで大使館勤務の経験がある元北朝鮮外交官のハン・ジンミヨンもこう証言する。

   「北朝鮮は国を挙げアジア各国に要員を派遣し外貨稼ぎを手広く行っている。北朝鮮の人が外国で会社を設立するには外務省の支援が必要になる。リ・ジョンチョルは北朝鮮から現地の会社に派遣され国のためのビジネスを行っていたと思われます」

   さらに番組が取材を進めると、外国企業を取り込む具体的な闇取引の手口も見えてきた。 マレーシア人の企業役員、ムスタファ・ヤークブは、ビジネスをしないかと北朝鮮人のビジネスマンらに誘われ会社を設立した。「彼らは普通のビジネスマンと思ったので身辺調査をしなかった」という。

   ところが会社は北朝鮮から軍事用の通信機器を輸入しマレーシア企業の社名を使ってアフリカに転売。結局国連の制裁対象になっている軍事機器のロンダリングに利用されていたことが分かった。

   また韓国系オーストラリア人のピーター・チョンは、アジア各地に販路を持つ商社を経営し建設資材を販売していた。2年前に北朝鮮の平壌に招待され、最初羊毛と肉の輸入をしたいと言ってきた。

   異存がなかったので具体的な交渉に入ると、手厚いもてなしを受けるようになり政府高官からフィリピン南部の武装組織へ武器販売の仲介をしないかと持ち掛けてきた。深刻な問題なので「調べてみる」とだけ言って話をそらしたという。

   こうした北朝鮮の闇ビジネスの一端をまとめた報告書が先週、国連により発表された。その中で取引の規模や範囲が拡大され、手口も巧妙化していると警告している。

   番組には北朝鮮の制裁が実際に実行されているか、監視する任務に就いていた国連北趙線制裁委員会・専門家パネルの古川勝久・元メンバーがゲスト出演し、北朝鮮の闇ビジネスの実態を次のように補足する。

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