2024年 4月 25日 (木)

五輪の陰で繰り広げられた日米朝韓のホットな外交戦 北のほほえみ戦術にまんまと踊らされた韓国ムン大統領

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   華やかな平昌(ピョンチャン)オリンピックのかげで何が起きていたのか。実は、最高指導者の実妹まで送り込んで融和ムードを演出しようとした北朝鮮をめぐって、緊迫の外交戦が展開されていた。南北対話にのめり込む韓国のムン・ジェイン政権と、警戒を強める米国トランプ政権や日本政府との食い違いは際立つばかり。もうメダルラッシュに浮かれている時ではない。

   2月9日(2018年)の五輪開会式で日米韓と北朝鮮の首脳が初めて顔を合わせた。金正恩委員長の特使としてソフトムードを振りまいたキム・ヨジョン(金与正)氏について、同席した西村官房副長官は「近寄りがたい、別空間の冷たい雰囲気だったが、ちょっと笑うとごまかされてしまう」と評する。その一見友好的な微笑やふるまいは、核ミサイル開発や人権抑圧を続ける特異な独裁国家の幹部であることをつい忘れさせる。

   韓国・高麗大学のナム・ソンウン教授は「3回目の南北首脳会談実現のために雰囲気を盛り上げようと金委員長が送り込んだ」「ヨジョン氏は発言を控えて表情を和らげることで、人の好奇心を刺激する。それが効果的だった」という。

安倍首相とヨンナム氏の「接触」を中止させた韓国の妨害行為

   ムン大統領は自らの肝いりでアイスホッケーの南北合同チームを結成させ、北朝鮮のチームや応援団の滞在費3億円を負担した。偉そうに核武装する国が自分の宿代ぐらい出せといいたいところだが、韓国は経済制裁にまんまと風穴を開けられてしまった。

   ムン氏は北朝鮮との融和を図る太陽政策の信奉者として、2007年南北首脳会談の一員だったこともある。太陽政策の最中もその後も北朝鮮は核ミサイル開発を進め、今日に至る。まだ懲りないということらしい。

   その南北融和をめぐって2月2日、安倍首相とトランプ大統領が行った電話会談のやり取りが明らかになった。「北朝鮮はオリンピックを活用して核ミサイル開発を続けている」という安倍首相に、トランプ大統領は「南北対話は要注意だ。私は対話を望んでいない」と言い切ったそうだ。2人は圧力をかけ続けるしかないことを確認した。

   一方で、オリンピック開会の2日前には、訪韓した安倍首相とペンス副大統領が話し合っている。この会談で米側は「韓国を通じて北朝鮮と接触を持ちかけられており、応じる考えだ」と告げた。日本側も「北朝鮮と接触の機会があれば日本の立場を伝える考え」を話した。

   開会式当日の日韓首脳会談では、安倍首相が「北朝鮮の核武装を受け入れてはならない」と強調したのに対して、ムン大統領は「対話が非核化に役立つ方法を追求したい」とし、日韓の違いが浮き立った。

   開会式直前のレセプションに、韓国は日米と北朝鮮の首脳を同席させようとした。

   しかし、安倍首相とペンス副大統領はホテル駐車場の車の中でも会談を繰り返した。そこで「北朝鮮と接触して、圧力強化の姿勢を伝えるつもりだ」と言ったペンス副大統領だったが、レセプション会場ではテーブルにつかずに5分で立ち去った。

   安倍首相はレセプション終了間際、北朝鮮のキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長に近づき、何かを語りかけた。「拉致被害者の帰国を実現してほしい」と、2002年の日朝平壌宣言にふさわしい拉致、核、ミサイルの解決を働きかけたという。西村官房副長官は「キム氏は表情を変えないが、二言三言発言があった」そうだ。

   このときに、NHKの岩田明子記者によると、韓国の議員が間にしゃしゃり出たり、韓国の通訳がメモをとろうとしたりしたので、接触は中止された。だとすれば、とんでもない妨害行為ではないか。対話重視を掲げるムン政権が何をしたのか。韓国に抗議ものだ。

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