2024年 4月 20日 (土)

「鬼面人をおどす」鬼だらけの側近で固まったトランプ政権 安倍首相の「お友だち路線」では日本は譲る一方だ

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   米国トランプ政権に異常事態が進行中といわれても、もう誰も驚かない。それぐらい思わぬことを唐突にやり続けてきたトランプ大統領の足元で、閣僚や側近の解任が相次いでいる。

   政権にいた80人近い中枢メンバーのうち35人が去り、代わって登用された顔ぶれは対外強硬派がずらりと並ぶ。「鬼面人をおどす」という言葉は見せかけで人を驚かす交渉術やケンカのたとえだが、これで世界がおさまるのだろうかと不安になってくる。実務を担う国務省高官も、議会承認が必要な160ポスト中92が空席のままだ。「この政権で人生を費やしたくない」と人材が去る退任ドミノが止まらない。

何を言い出すかわからず、自分の望むことを言う人物だけを好む

   先月(2018年3月)も、協調派といわれたティラーソン国務長官が退任した。北朝鮮との接触をめぐり中国を訪問中に、トランプ大統領から突然ツイッターで解任を告げられた。「諸君は人に対してはいつも誠実で親切にしてほしい。この街は意地悪な考えでいっぱいだ」が最後の言葉だった。この挨拶に国務省職員から皮肉などよめきがもれた。

   今度は誰が首を切られるかがワシントンの話題で、ケリー首席補佐官ではないかと専らささやかれている。やれやれ......。

   トランプ大統領就任一年、高官の離職率は34%という報告がある。「前代未聞だ。一貫性のない政策、何を言い出すかわからない性格が周囲の仕事を難しくしている」(シンクタンク、ブルッキングス研究所のエレイン・カマーク上級研究員)ということだろう。

   過去27年間5人の大統領にアジアや中国について助言してきたデビッド・ランク氏は「トランプ政権の決定はいつも練られないまま実行されてしまう」と話す。トランプ大統領は側近に幅広い人材をそろえることよりも、自分の望むことを言う人物を好むため「違う意見を言えば辞めるしかない」そうだ。

   政権の顔である広報責任者だけでもすでに4人が変わり、中には在任10日間の人もいたというのだからあきれる。

   気をつけなければならないのは、その側近交代劇の中身だ。

   ティラーソン国務長官の退任は、イランとの合意破棄をめぐってトランプ大統領と意見が合わなかったことが引き金といわれる。後任のポンペオCIA長官は対外強硬派だ。

   経済の司令塔だったコーン国家経済会議委員長は保護主義に反対だったが、トランプ大統領の長年の友人で対外強硬派のクドロー氏にすげかえられた。

   安全保障担当のマクマスター補佐官も、イスラエルの首都としてエルサレムを容認するトランプ大統領の意向に慎重だったために嫌われたといわれ、後任のボルトン氏はもう極めきの対外強硬派だ。

   小谷哲夫・明海大学准教授は「トランプ大統領は前からボルトン氏を国務長官に選びたがっていたが、口ひげが嫌いでためらっていたそうだ」という話を披露し、武田真一キャスターが思わず「え?」と聞き返す場面があった。今回はあまりの人材不足に口ひげぐらい我慢したのだろうか。

   以上の新任3人は米国第一主義の信奉者ぞろい。国際協調を重視するのはもうマティス国防長官ぐらいではないかといわれる。対北朝鮮外交では、ポンペオ氏は「妥協は一切しない」と主張してきた。ボルトン氏にいたっては「南北統一して、北朝鮮の政権を消滅させるべきだ」と述べたこともある。

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