2024年 4月 19日 (金)

「イッテQでっち上げ」内村光良、宮川大輔は気付かなかったか?番組MC、高額ギャラの彼らにも責任あり

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   「ヤラセは事実や真剣勝負に見せながら、演技や作為によるものをいう。捏造とは、事実でないことを偽って事実だと伝えること」

   日本テレビでNNNドキュメントやニュースキャスターをやり、現在は法政大教授の水島宏明氏は「内側から見たテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造」(朝日新書)でこう定義している。

   これでいうと、先週の週刊文春が報じた日テレ「イッテQ」の「ラオスの橋祭り」は、ヤラセではなく捏造である。週刊文春は今週も、昨年2月12日(2017年)に放送された2時間特番「宮川・手越2人で挑む奇祭カリフラワー祭り」が捏造だったと報じている。

   タイの首都バンコクからクルマで6時間かかる避暑地の村で、「カリフラワーの収穫を祝う祭りが年に1度開かれる」として、村人たちが二人三脚で泥沼を駆け抜け、20キロのカリフラワーを収穫するスピードを競った。

   宮川大輔と手越祐也がタッグを組んで参加した番組は、同番組の視聴率歴代7位の22・2%を記録したという。

   だが、この村の村長は、テレビ番組のコーディネーターを夫に持つ地元住民から、「日本のテレビ局の撮影があり、スポーツ交流大会が行われる」としか聞いていないと、週刊文春に話している。

   当日の会場になったカリフラワー畑を所有する地主の1人も、「あのゲームは、あの時が最初で最後」だと証言する。ここでも優勝者や参加者には、賞金やマウンテンバイクなどの賞品が出たそうだ。しかも、現地当局への撮影許可申請には「野菜の収穫競争」として届けを出していることを、週刊文春側は確認している。

   先週は、「現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、参加者に賞金を渡した事実はない」と、下請けの責任にして疑惑を否定した日テレ側も、今回は、週刊文春発売前に「番組の意向でコーディネート会社が主催者になったイベントとして開催したケースがあった」「開催費用や賞金などが支払われていることもあった」と認め、「確認が不十分なまま放送に至ったことについて、当社に責任がある」と謝罪した。

   しょせんバラエティ番組なのだから、ヤラセやウソがあったっていいじゃないかと、擁護する声があるのは理解できる。だが、この番組は自らドキュメンタリーバラエティと銘打ち、モットーは「ウソとヤラセの完全排除」を謳っているのである。

   また、週刊文春は日テレの情報・制作局長の加藤幸二郎氏のこういう発言を取り上げている。<「番組の人格で『イッテQ』は笑いをやっているけれども、相手に対して失礼なことをしているという人格がないから、許してもらえていると思う」>

   ない祭りをでっち上げて、ラオスやタイの国民を笑いものにすることが「失礼」なことだとは考えないのだろうか。

   週刊文春はMCの内村光良や宮川大輔にはやや同情気味だが、彼らが何も知らなかったはずはないし、高額なギャラが支払われているのだから、責任はあると私は考える。

   この件で、視聴者の見る目が変わってくるはずだ。これからは、どこにヤラセやでっち上げがあるのかを探す楽みが加わり、演者がどんなに命がけであろうと、感情移入できないだろう。

   先の水島氏は本の中で、「放送に登場した告発者や被害者、あるいは客などが偽物だったという"不適切な取材"がなぜか日本テレビの番組ばかりに集中している印象だ」と書いている。

   フジテレビに追いつき追い越せと、テレビ界のトップに立っために、視聴率さえ取れれば何でもあり、という空気が現場にあるのではないか。一度、立ち止まって考えたほうがいい。

片山さつき「疑惑のデパート」産廃処分場乗っ取り疑惑の後援会長からタダで事務所提供

   考えたほうがいいのはこの人もそうだ。片山さつき地方創生担当大臣の「政治とカネ」のスキャンダルが止まらない。事務所費の架空計上疑惑、無償でカレンダーを配っていた公職選挙法違反疑惑、自著の出版の際、顔写真や名前が記された特大看板を設置した疑惑(出版社側が設置したという片山氏の説明に、出版社側は否定)、開催した集会の会費総額180万円不記載と、まさに「疑惑のデパート」である。

   週刊文春で連載をしている、小泉純一郎元首相の元首席秘書官・飯島勲氏も、「収支の出入りの総額まで訂正するようじゃ、政治資金の管理体制は言語道断と言わざるを得ないぜ」と厳しく批判している。

   さらに、今週の週刊新潮は、片山氏の資金管理団体とは別の「山桜会」という後援会組織の会長が、<「過去に、暴力団と手を組み、仙台市近郊にあった『竹の内産廃』という産業廃棄物処分場を乗っ取り、大騒動を引き起こしていた」>と報じている。

   乗っ取った「竹の内産廃」には、遠方からもゴミを捨てるトラックが列をなし、廃棄が禁じられている注射器などの医療廃棄物までが捨てられるようになった。そのために、地域住民から、水が黒い、臭いがひどいという苦情が多く寄せられたという。

   宮城県の調査では、致死量を大幅に上回る硫化水素ガスが検出され、ついには、宮城県警が社長などを廃棄物処理法違反で逮捕したそうである。会社は解散したが、本当の主役である先の会長や暴力団の総長は逮捕されなかった。

   汚臭の広がりを防ぐために、排水溝を設置するよう計17回も措置命令を出したが、聞き入れず、県が撤去など行政代執行にかかった費用は7億円にも達するという。

   当該の会長が経営する大阪支店の一部を片山に提供し、女性秘書がそこを足場に支援者周りなどをしているそうだ。だが、片山のどの収支報告書を見ても、会長に家賃を払っている記載はないという。

   週刊新潮はこう問う。彼女はかつて自民党の環境部会長を務め、産廃業界と政界のパイプ役となる「産業・資源循環議員連盟」の事務総長の立場にあるのに、<暴力団と一緒に乗っ取った産廃で周囲の住民に被害を及ぼすような人物を後援会のトップに据え、平然としていられるものなのか>

   週刊新潮は、彼女自身が安倍内閣の<産業廃棄物になってしまったかのようである>と指摘している。やや厳しすぎるとは思うが、困ったものである。

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