2024年 4月 17日 (水)

青山学院初等部でも情実入学?保護者から内容証明「理事長・院長ら接待に100万円使った」学校当局は内部調査中

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   だいぶ昔になるが、慶應幼稚舎の合格率がやたらと高い塾が話題になったことがあった。月謝もバカ高いが、カネに糸目をつけず、自分の子どもを入れたい親が門前市を成した。お受験教育ばかりではなく、幼稚舎の先生に高額な付け届けをしろ、1000万円を慶應に寄付しなさいなどと指示され、その通りにしたのに合格しなかった親たちが、怒って新聞に話し大きな社会問題になったことがあった。

   こうした子どもを溺愛する親バカたちからカネをむしり取ろうとする輩は、いつの時代でも必ずいるのである。今週の週刊文春は、慶應大学、学習院と並ぶ「お受験御三家」の青山学院初等部にも、同様のことがあったと報じている。

   冒頭、都内のイタリアンレストランを借り切って行われた青山学院・堀田宣彌(のぶみつ)理事長の再任と、山本与志春の院長昇格のお祝いの会で、両氏や校友会副会長、俳優の高橋克典らが一緒に写っている記念写真が紹介される。

   そこには、この会を開いた会社経営者の鎌田雄一(仮名・50代)夫妻と、青学アドバイザーの肩書を持つ竹石爾(ちかし)もいる。この鎌田が、わが子を何としてでも初等部へ入れたい当人で、彼がかねてから昵懇にしていた知人を通して、青学校友会の人間を紹介され、その後、アドバイザーの竹石を知ることになったのが2017年の4月頃だったという。

   竹石は04年から14年まで青学の常務理事や常任監事をしていて、学内に部屋を持っているため、<「それほど力のある人が協力してくれるなら全面的に頼るべきだと思ったのです」(鎌田)>

   週刊文春によれば、竹石は堀田理事長の名前を再三出しながら、17年秋から受験本番までの約1年間、鎌田にあれこれ便宜を図ってくれたそうである。

   昨年1月(2018年)には、竹石と校友会の人間が連れ立って鎌田を推薦するために、堀田理事長のもとを訪れ、彼の子どもAの「推薦状」を渡したという。

   後日、竹石から「A君は青学の"トップ推薦"になった」といわれる。もちろん、鎌田が理事長や院長を何度も会食に誘い、大相撲の枡席にも招待したことが功を奏したこと、いうまでもない。

   鎌田が付けていた支払いの記録によると、17年から18年にかけて、理事長たちの会食に費やした金額は100万円を超えたそうだ。

   さらに、青学には合計で300万円寄付している。その後も、竹石が、合格した暁には青学に3000万円寄付するようにと話していると伝え聞き、試験の1か月前になると、竹石は「青学ではなく私を支持してほしい」といいだしたそうだ。

   だが、昨年の11月6日にあった結果発表で、子どもは「不合格」になってしまうのである。ここまでしたのになぜ? これが事実なら、青学の内規というよりも、どこの学校の内規にも違反していることは明らかである。

   週刊文春の直撃に竹内はどう答えるのか。彼は自分はアドバイスをしただけ、推薦はしたが、初等部には一切いってない。そして<「こんなケース、どの学校でもいっぱいあるでしょう。慶應でも早稲田でも、『お金でどうした』とか。青学はまだいい方だと思いますよ」>といい放った。

   堀田理事長は鎌田とは1回会ったことは認めたが、「理事長に再任された祝の会へ行ったら、鎌田もいたので名刺を交わした」だけだといい繕う。鎌田が寄付したことについては「勝手に寄付したんでしょう」、竹石から推薦状を受け取っていたことは「見たこともない」と突っぱねたが、その後、受け取ったが見ていないと「回答を奇妙に変化させた」(週刊文春)そうだ。

   山本院長は、推薦状は受け取っても初等部には渡さずに、こういう方の紹介があったと伝えるだけだが、「ボーダーラインで(並んだ二人の)どっちがいいか分からない時に、(推薦を)使ってくださいということでお願いしている」と、話している。

   要は、彼らが推薦した子どものほうが優遇されるということである。寄付や会食接待についても認め、寄付は返す、接待分は自分のポケットマネーから返すと、動揺が言葉に出てしまっている。

   鎌田が一連の経緯を記し、学校側の見解を問う内容証明に対して、青学は内部調査委員会を立ち上げ、3月28日までに調査結果をまとめるそうだが、この告発が事実なら、理事長、院長の辞職は避けられないはずだ。

大林組「リクルーターの就活セクハラ」被害新入社員を悪者扱いの事情聴取!一部始終を文春デジタルで聴けるぞ

   先週、週刊文春が報じた大林組のリクルーターが就職希望の女子大生に対して、内定を餌に肉体関係を何度も結んでいた件で、新入社員の斉藤絵美(24・仮名)が、ハラスメント問題を担当する古瀬耕司人事部長と女性の人事課長に事情聴取されていた。

   古瀬たちからは「なぜ、断れなかったのか」「彼氏に対して、申し訳なさとか逃げ出したいとは思わなかったんですか」「どっちが分が悪いっていったら、高橋さん(加害者=筆者注)の方がよほど分が悪い」「(会社にレイプがいるみたいなことをいうのは=筆者注)今後のあなたにとって損をすることが多いと思いますよ」と、まるで彼女が悪いといいわんばかりで、「典型的なセカンドレイプです」(新村響子弁護士)

   最後まで彼らから、「つらい思いをさせて悪かった」という言葉はなかった。彼女はこのやりとりを録音していて、週刊文春デジタルで聴くことができる。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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