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「アジアのカンヌ」釜山国際映画祭、故ヤン監督を顕彰

【 365日映画コラム 】
07/8/26 コメントを見る・書く
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   アジアで最も注目されている釜山国際映画祭。12回目となる今年は10月4日から12日まで9日間開かれる。今年も60カ国以上、250本を超える作品が上映される予定だ。唯一のコンペ部門「新しい波」はアジアの新人の登竜門として脚光を浴びている。

(C)2000,1+2 Seisaku Iinkai
(C)2000,1+2 Seisaku Iinkai

   筆者も4年前、第8回の映画祭を覗いてみた。美しい湾を囲んでウェスティン、シーグラント、パラダイス、ロッテ、ノボテルと豪華ホテルやカジノが建ち並ぶ。紺碧の海と高層ホテルの白さが映えて東洋のカンヌの趣がある。これらのホテルで、韓国映画のプロモーションの豪華なパーティが毎晩開かれていた。監督のカン・ジェギュやチャン・ドンゴン、ウォンビンなどのスターたちと昼食を共にした思い出が懐かしい。食後階下に降りたら日本から来たおばさんたちがギャーギャーと黄色ならぬ茶色の声援を送っていた。あれは韓流ブームの始まりだった。

   今年の映画祭で「アジアン・フィルムメーカー・オブ・ジ・イヤー」を贈られるのは、故エドワード・ヤン(楊徳昌)監督に決定した。去る6月29日に大腸ガンのため、ビバリーヒルズの自宅で59歳の生涯を閉じた台湾の巨匠だ。この賞はアジア映画の進歩に貢献した個人に贈呈されるもので、台湾のホウ・シャオシェン監督(非情城市)や香港の俳優、アンディ・ラウ(「インファナル・アフェア」)、イランのモフセン・マフマルバフ監督(「カンダハール」)などの諸氏がこれまでに受賞している。映画祭ではヤン監督の偉業を称えて作品の上映とセミナーが開かれる。当日は妻のカイリ・ペンが代理で受賞する。二人の間には、ヤンの癌発病の年の9月に生まれた7歳になる子供がいる

   ヤン監督は寡作の人で生涯8本しか撮っていない。筆者はその中で「カップルズ」と遺作になった「ヤンヤン 夏の想い出」が好きだ。人の後姿ばかりを撮るカメラ好きの少年ヤンヤンの視点で映画は進む。祖母と両親、ヤンヤンと姉の三世代の家族。父親は台湾のコンピューター 会社(ヤンは監督になる前は学位を持つコンピューター技師だった)を経営する中流家庭だ。身の回りの日常的な出来事を、ヤンヤンのカメラのように「隠れた視点」からコメディタッチで描いていた

   製作は日本がお金を出し、台湾と日本とでロケをしている。監督の岩井俊二やプロデューサーの河井真也などとも仲が良く、憧れは手塚治虫のアニメの世界だという。日本との関係は深い。この「ヤンヤン〜」が2000年の第53回カンヌ映画祭で監督賞を受賞して、エドワード・ヤンの名前は世界に知られるようになった。


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