2024年 4月 25日 (木)

日本でのビジネスはなぜ難しいのか
(3-下)「同期出世競争」を活力源にした時代

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バブル崩壊後、状況は一変する

   だがこの制度には弱点がある。昇進の階段を上ればのぼるほど、用意されたポストは少なくなるからだ。企業の職制構造は三角形になっているので、誰もが望ましいポストを得るのは不可能だ。戦後の日本がこの制度を続けられたのは高度成長のおかげだ。企業規模が大きくなる、他分野に進出する、別会社を作る、といった右肩上がりの経済が、企業に管理職ポストを増やし、それぞれが達成感を得られる処遇を可能にした。
   バブル崩壊に伴う長期不況が状況を一変させた。GDPが一時マイナスに落ち込むほどの低成長が管理職ポストの増殖にブレーキをかけ、年功序列を困難にした。経営者は年功賃金のカーブを下方修正し、60歳定年でも55歳を越えると給与は減少する措置をとる企業が相次いだ。年功給から能力給へと切り替えるのがトレンドにもなった。長期後払いの賃金で、いよいよ楽を出来るようなった頃、「リストラ」の名の下に終身雇用までうち切る企業が続出した。定年を間近に控えた中高年従業員にとって、リストラは人生の安全保障の喪失でもあった。ブリヂストンの事件はそんな時代を象徴している。

文: 山田厚史

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