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2ちゃん「ひろゆき」 女子プロ北田に「全面敗訴」

   プロゴルファーの北田瑠衣さんがインターネット上の掲示板2ちゃんねるの運営者である「ひろゆき」こと西村博之氏に100万円の損害賠償などを求めた裁判で、東京地裁は2006年10月25日、原告の訴えを全面的に認める判決を下した。しかし、このような「全面勝訴」の判決が出ても北田さん側には冷めた反応しかない。というのも、西村氏がこれまで損害賠償の支払いなどに応じたことがないとされるからだ。

   2ちゃんねるで、北田さんの異性関係などに関係した中傷の書き込みが相次いだため、北田さんは西村氏を相手取って民事訴訟を起こした。しかし、西村氏は裁判に一切出席せず、結局は北田さんが要求していた100万円の損害賠償、違法なカキコミの削除、カキコミをした者の情報開示、これらすべてを命じた判決が下された。

「判決が出ても喜べない」北田側

2ちゃんねるの運営者ひろゆきは判決を無視しつづけている
2ちゃんねるの運営者ひろゆきは判決を無視しつづけている

   しかし、北田さんの代理人事務所の担当者はJ-CASTニュースの取材に対して、

「(判決について)特にコメントすることはない」

   と冷ややかにしか答えない。というのも、判決が出ても喜べない事情があるからだ。

   西村氏には何度も賠償金支払いの判決が下された事例があるが、今まで一度も賠償金を支払ったことがないとされているのだ。訴状についても受け取る意志がない模様で、住民票のある東京・新宿区のアパートのポストは送達文書などが溢れている状態だといわれている。
   現在の居場所もまったくつかめないため、財産を差し押さえることもほぼ不可能で、賠償金支払いの命令が出ても、支払われる可能性もほぼないということになる。つまり、今回の100万円支払い命令も、過去の西村氏の動向からすると実はあまり意味のないものなのである。

強制執行や破産申し立ても効果なし?

   ただ、2ちゃんねるサイドは、北田さんについての違法なカキコミについてのみ削除した模様だ。といっても、これも西村氏のやり方からすると、カキコミが「削除された状態」のままでいるのかも確証がもてない、という面もある。というのも、削除を命ずる判決に従い問題のカキコミを削除したが、判決の約1ヵ月後に西村氏が「削除したものを公開していますー。」として、これらのカキコミを画像として読み込んだデータを公開した、という前例があるからだ。北田さん側も、

「(違法なカキコミの削除が)応じられたようだが、こちらでは確認していない」

   と答えている。

   北田さんの代理人は強制執行や破産申し立てについても「まだ考えていない」としている。
   結局は裁判に勝っても効果がないと受け止められそうだが、北田さんをマネジメントする「ランダムアソシエイツ」の代表は、東京スポーツの取材に対し、

「お金を取ることが目的じゃない。(書き込みが)事実無根ということを司法という場所できっちり判断してもらおうということです」

   と答えており、あくまでカキコミの違法性の立証が目的であった点を強調している。