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郷原議長が公開質問状送付 「TBSは捏造疑惑に向き合え!」

   不二家の信頼回復対策会議の議長を務めた郷原信郎・桐蔭横浜大コンプライアンス研究センター長(同大法科大学院教授)がTBSに対し公開質問状を送った。TBSの情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」の放送内容に「捏造疑惑」が持たれている問題で、信頼回復対策会議が「捏造疑惑」の証拠となるテープなどを公開した。しかし、TBS側がこれについて「道義にもとる」などとコメントしたことが、郷原議長の怒りにに火をつけたようだ。

   事の発端は2007年3月30日に、不二家が社外に設置した信頼回復対策会議が「最終報告書」を同社に提出したことを発表した記者会見。同会議は「最終報告書」のなかで、消費期限切れ原料の使用が明らかになって以降のマスコミ報道について、「メディア・スクラム」状態になった要因は「マスコミの理解不足、誤解」と「それに対する不二家側の対応」にあったと指摘している。

不二家の営業上、相当深刻な影響を与えた

信頼回復会議が行った会見では、TBS・不二家の協議の音声が公開された
信頼回復会議が行った会見では、TBS・不二家の協議の音声が公開された

   しかし、07年1月22日放送の「朝ズバッ!」での報道だけは、

「無理解による間違った報道というレベルを超え、きわめて意図的な事実に反する報道を行って、しかも、それを根拠にして不二家を徹底的に批難するということを続けた。『朝ズバッ!』の報道は不二家の営業上、相当深刻な影響を与えた。社会問題だ」(郷原議長)

   として、TBSに対し法的措置を取る事を検討すべきだと不二家に提言している。そして、「朝ズバッ!」の内容に訂正を求め、両社が協議した際に録音された音声がこの日の会見で公開された。だが、それに対し、TBS側は「音声公開は道義にもとる」などとマスコミにコメントした。

   これに対し、郷原議長は、TBSこそ「モラルが問われている」として07年4月2日にTBS井上弘社長宛に個人名で公開質問状を提出した。

   質問状を提出した理由について郷原議長はJ-CASTニュースに対し、

「私をはじめとした信頼回復対策会議のやり方に対するTBSの『言いがかり』によって、コンプライアンス研究センターの所長として、また表舞台に立たざるを得なかった」

   と語る。

「TBSのコンプライアンスは最低最悪」

   信頼回復対策会議は3月30日の「最終報告書」の提出でその役割を終えたことになっているが、同会議の「やり方」にまでTBS側が批判のコメントをしたため、コンプライアンスを専門とする立場から、こうした主張に反論しないわけにはいかない、と考えたようだ。さらに、郷原議長は「道義にもとる」とするTBS側の主張に対しては次のように反論する。

「双方での同意の下で録音して保管することになった。その後、TBSは録音内容に反する主張をし始めた。我々としては間違っているところを正す必要があると考え、(会見での)公表に至ったのであり、当然の判断だった。それに対し、TBSは何の理由を示さずに批判してきたので、訂正と謝罪を求めた」

   さらに、郷原議長はTBS側のこれまでの対応を踏まえて、次のように述べる。

「報道機関・テレビ局としての使命を考えて、TBSは『捏造問題』に向き合うべき。ウソがあったその後の対応からすれば、TBSのコンプライアンスは最低最悪」

   郷原議長にTBS側から未だに回答は寄せられておらず、2~3日経って回答が寄せられない場合は再度回答を求めるとしている。