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ネット詐欺師が知り合う 「闇の職業安定所」って何だ

   通信販売業者から健康器具を購入したのに代金を支払わなかったとして、大学生ら3人が詐欺容疑で逮捕された。この3人は、ネット上の掲示板で知り合ったのだという。ネット上の犯罪に関する報道を調べていくと、「容疑者らはネット上の掲示板で知り合い…」といった記述も目立つ。「裏サイト」とか、「闇の職業安定所」と呼ばれるサイトで、いかにも怪しげな記述が並んでいる。

互いの顔や名前も知らないまま、犯行グループが「成長」

「犯罪行為は必ず逮捕されます」という注意書きこそあるが…
「犯罪行為は必ず逮捕されます」という注意書きこそあるが…

   千葉県警は2007年5月9日、大学4年のA(22)、大学3年のB(22)両容疑者を、詐欺と組織犯罪処罰法(犯罪収益等隠匿)の疑いで逮捕した。また、別の詐欺未遂罪ですでに起訴されている、無職のC被告(30)も、同容疑で再逮捕した。
   3人は、07年の2月から3月にかけて、インターネットで都内の通販会社に、「乗馬型」の健康器具など計10点(計25万7,300円相当)を注文、アパートなどに配達させたが、代金を払わずにだまし取ったとされる。そして、3人は、インターネット上の掲示板で知り合ったのだという。

   報道を調べていくと、非合法な内容についてやり取りが行われることもある、いわゆる「裏サイト」で、犯罪の「求人」が行われている例が多いようなのだ。この「裏サイト」は、掲示板が主なコンテンツだ。

   06年5月に京都、熊本、静岡の3府県警が摘発した例では、無職の男(34)が「裏サイト」で共犯者を募集し、互いの顔や名前も知らないまま、犯行グループは14人にまで「成長」。実在するオークションサイトそっくりの偽のオークションサイトを立ち上げ、アクセスしてきた会員約5,800人分のIDとパスワードを盗み取っていた。盗んだIDは、オークション詐欺に悪用されていた。

   06年10月には、「闇サイト」で知り合った宮崎市の職員と無職の男が、架空投資の出資者を募り、集めた資金を詐取したとして、兵庫県警に逮捕されている。ちなみに、この職員は、宮崎市から貸与されたPCを使って「闇サイト」にアクセスしていたという。

   07年5月に、女子中学生を名古屋市内のホテルに監禁したとして逮捕された容疑者2人も、「裏サイト」で知り合っていた。片方の容疑者が「リスクのある仕事」などとサイトで「求人」したものに応じたという。

「裏の仕事ですのでわかりますよね☆」

   この事件で舞台になったのは、「闇の職業安定所」と呼ばれるサイト。このサイトに、実際にアクセスしてみた。「裏求人」というコーナーでは、

「ローリスクからハイリスクまで用意しています。ちなみに在宅のしごとはありません。裏の仕事ですのでわかりますよね☆」
「ポイント系などの裏技情報ではなく、本当に希少で合法、超本格的な正攻法の【錬金術】です」

といった、怪しげな記述が並ぶ。これらの「求人」に応じた結果、犯罪に手を染める、ということになってしまうようだ。
   もっとも、このサイトには

「当サイトではログを保存しております。犯罪の募集をしても、警察からの要求があればログを提出、証拠にもなります。たとえ偽名や身分を偽っていても、警察の捜査は甘いものではありません」

という注意書きがあるが、これにどれだけの効果があるのかは不明だ。