2024年 4月 23日 (火)

自費出版で「夢を奪われた」 著者が新風舎を提訴

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   出版社と自費出版契約を結んだ著者4人が、虚偽の説明を受けて出版費用を騙し取られたとして、この出版社を提訴した。この出版社は、「出版された書籍は全国各地の書店で販売される」などとうたった広告を出していたが、全国でたった数十冊だけしか店頭におかれていない、などと原告側は主張。「夢を奪われた」と訴えている。この件に限らず、以前からネット上では「自費出版」ビジネスに不満が噴出していた。

「全国の書店の店頭で販売されると信じ込ませた」

新風舎はHPで「誤解に基づく批判や中傷を浴びせられている」としている
新風舎はHPで「誤解に基づく批判や中傷を浴びせられている」としている

   自費出版の大手・新風舎と自著の出版契約を同社と結んでいた4人は2007年7月4日、虚偽の説明を受けて出版費用を騙し取られたとして、新風舎を相手取り、合計約763万円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に起こした。

   訴状によれば、広告で「出版された書籍は、全国各地の書店で販売する体制を整えている」などと表現し、出版契約すれば全国の書店の店頭で販売されると信じ込ませた上、1冊も店頭に陳列されない可能性があるにもかかわらず、故意にこうした事実を告げず、「書籍が書店の店頭に陳列される」と誤信させた、としている。

   実際、500部(50部は著者分)出版した原告の場合は、出版の約2ヵ月後時点で、12店舗に28冊しか陳列されず、800部(100部は著者分)出版した別の原告の場合は、出版の約1ヵ月後時点で10店舗に44冊しか陳列されていなかった。さらに、書籍は新風舎の直営店に陳列されるだけで、広告掲載のほかは、書店に一方的に紹介文・ファックスを送り続けるだけの営業活動しかしていなかった、と指摘している。

   原告の一部が参加している「新風舎商法を考える会」の世話人・尾崎浩一さんはJ-CASTニュースの取材に対し、

「原告側の損害賠償の金額はそれほど大きなものではなく、お金の回収が目的ではない。『(書店に本が並ぶという)自分たちの夢が奪われた』という思いがあって、こういう商法が許せないということになった」

と今回の訴訟の背景について説明する。尾崎さんによれば、同社の商法の「悪質さ」について4年ほど前から認識していたが、06年3月に新風舎と同業の碧天舎が破産した頃から、インターネット上のブログなどで「被害」について告白する人が増え始めたという。
   実際、ネット上では、新風舎の商法を批判するブログが多数あり、「新風舎商法を考える会」のホームページでも新風舎とのやりとりを「暴露」する文章が並んでいるほか、市民記者のニュースサイトでも10本以上の「糾弾記事」が掲載されている。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中