2024年 4月 24日 (水)

アメリカザリガニは「初恋の味」 「ギャング」転じて「村興し」に一役

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   「水田のギャング」とも言われ、イネの根を切ったり田んぼのあぜに穴を開けたりする農家の敵アメリカザリガニ。駆除をするのは一苦労だが、せっかくだから捕獲したザリガニを食べてしまい、村興しの材料にも使おう。こんな動きが宮城県大崎市田尻大貫で起きている。食べてみるとかなり美味しく、「初恋の味のよう」なのだそうだ。

小川に袋網仕掛けると、一晩で500匹から1000匹

アメリカザリガニは「プリプリして美味しい」そうだ
アメリカザリガニは「プリプリして美味しい」そうだ

   大崎市田尻大貫の水田や農業用水路で、ザリガニの異常繁殖が起こったのは数年前から。大繁殖の原因ははっきりしていないが、牛豚のし尿を川に流すことが規制され水質が向上。その恩恵を、生命力の強いザリガニが受けたのではないか、と地元では見ている。その結果、イネの茎や根を切られたり、田んぼのあぜに穴が開き、水が抜けたりする被害が出た。ザリガニがどれくらい多いかというと、水田の脇を流れる小川に袋網(長さ3メートル、幅2.5メートル)を仕掛けると、一晩で500匹から1,000匹入っているのだという。

   これまでは捕まえた後は捨てるか、ニワトリなどの飼料や、肥料として畑に撒いたりしていた。そんなザリガニを

「敵だし、憎らしいから、食べてしまったらどうか」

と提案したのが、地元で「めだかの郷」を主宰する高橋孝憲さん(59歳)だった。高橋さんは子供の頃にザリガニを食べた経験があって、「美味しかったような記憶」があった。

   高橋さんは06年8月22日に近所の農家などに呼びかけ、ザリガニの「試食会」を開いた。このときの様子は毎日新聞の06年8月23日付に掲載されていて、約600匹を大鍋で塩ゆでにし、天丼を作ったりした。真っ赤な殻をむいた身はエビそのもの。食べるとプリプリ感があった。この「試食会」に参加した建設業の男性は、

「半世紀ぶりに食べた。初恋の味のよう」

と感想を述べた、と書いている。

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