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駅員がスイカ情報検索 ブログでセクハラ書き込み

   USBメモリーの紛失やウイルス感染で個人情報の流出が相次ぐなか、駅員がICカード乗車券に登録された個人情報を端末で検索、わざわざブログで公開して流出させる、という事例が発覚した。被害に遭った本人からブログのコメント欄で抗議されても「電話番号登録したお前のほうが悪い」などと開き直っていた。ブログにはどんなことが書かれていたのか。

個人情報が登録されている端末を不正に操作

ブログのセクハラ書き込みが問題になった
ブログのセクハラ書き込みが問題になった

   問題となったのは、東京メトロ銀座線の浅草駅に勤務する男性社員(26)が2007年8月16日に自身のブログに掲載した内容だ。首都圏で広く利用されているICカード乗車券「Suica(スイカ)」や「PASMO(パスモ)」には、再発行が可能な「記名式」が用意されており、購入時には氏名、生年月日、電話番号などの個人情報を登録する仕組みだ。男性社員は、この個人情報が登録されている端末を不正に操作、検索結果をブログに公開していたのだ。
   問題の記事は「しごとのはなし」と題され、端末の写真とともに「これ 窓口処理機 略して窓処」という書き出しで始まる。さらに、端末を操作する様子の写真が数枚、

「なまえをうちこむ」
「たんじょうびをうちこむ」
「すると 該当者がでる」

といった説明とともに掲載された。そして、検索結果が出た画面写真の横には

「ちなみにこの場合、記名式(定期)のスイカパスモを買ってる19XX年XX月XX日生まれの●●●●●●●という巨乳の女はひとりしかいないようです」

との記述。名前と誕生日から定期券の利用者を特定、その情報を流出させた上に、セクハラ発言とも取られかねない内容なのだ。

   東京メトロ広報部によると、情報流出の被害に遭ったのは、男性社員の「仲間うちのグループのひとり」「知人」といった間柄の女性。そうは言っても、知人に「巨乳」という言葉をぶつけるということは、そうそう許されることではない。

流出したのは、氏名・電話番号・生年月日の3点

   さらに、コメント欄には、こんなやり取りがある。定期券の持ち主とおぼしき女性が

「すいませんが、許可無く個人情報をアカラサマに公表するの辞めて頂けます?
しかも家電の番号まで出てるし…(--;」

という抗議の声を上げたのに対して、男性社員らしき人物は

「しかたないよ 誕生日がはっきりわかるSuicaユーザーがお前しかいないんだから。 しかも電話番号打ち込んだのはお前だろ」

と、「電話番号を登録した方が悪い」という意味不明の反論を試みており、なかば開き直って見せたのだ。
   同社によると、流出したのは、氏名・電話番号・生年月日の3点で、同ブログの終わりには「クレームきたから画像けしたょ」と書いてあることから、当初は女性の電話番号もブログに掲載されていたが、女性の抗議後に電話番号のみを削除したものとみられる。
   18日になって、同社の「お客様センター」に外部からの指摘があり、問題が発覚。同日中に社員に画像の削除を求め、削除された。また、被害者に対しては「18日夜に謝罪いたしました」と話している。

   今回の事件で女性が使用していたのはSuicaだったが、PASMOとも共通のデータベースを使用しているといい、端末からはSuicaのデータもPASMOのデータも見られる仕組みだ。JR東日本によると、これまでに発行されたSuicaは約2,159万枚。そのうち「記名式」の枚数は非公開だが、男性社員が操作していた端末からは、膨大な個人情報にアクセス可能な状態だったことは間違いない。

   同社では、男性社員について

「事実関係を確認次第、処分を行います」

と話している。