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猛暑で電力逼迫 お盆休み明けピンチに東電必死

   新潟県中越沖地震の影響で東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が全面停止するなどで電力が逼迫している。お盆休みが明けて、企業などが本格的に動き始める2007年8月20日の週から電力供給が正念場を迎える。東電は利用者に節電を訴えるとともに供給電力の確保に奔走するが、「停電」という可能性はあるのだろうか。

   2007年8月20日付の朝日新聞は「電力綱渡り 東電、柏崎原発欠き細る余力」の見出しで、「緊急事態」を報じた。
   東京電力は今夏の電力供給量を、当初(07年3月末時点)6527万キロワットでまかなう態勢を敷いていた。このうち、新潟県中越沖地震の影響で全面停止が続いている柏崎刈羽原発が約711万キロワットを供給することになっていた。
   そのため東電では、他の発電所の出力を増やしたり、他の電力会社から融通してもらうなどで凌ごうとしたが、確保できたのは8月平均で444万キロワット(朝日新聞の試算)と柏崎刈羽原発で予定していた電力分も確保できなかった。

福島第一原発1号機と福島第二原発2号機も停止中

東電では節電を呼びかけている
東電では節電を呼びかけている

   現在、稼働が停止状態にある原発は、福島第一原発1号機と福島第二原発2号機が定期点検を理由に停止中。20日から福島第一原発3号機が定期点検に入る予定だったが、「柏崎刈羽原発の点検に人をとられたこともあり、延期になりました」(東電広報部)という。

   このまま猛暑が続いて冷房需要が高まれば、電力供給はますます逼迫する。しかし、東電が8月20日に発表した「当面の需給見通し(第5報)」では、今夏の最大電力を6110万キロワットと予想。他の発電所の出力アップで236万キロワット、他の電力から応援融通で166万キロワットを追加で確保し、供給できる電力は6275万キロワットとなり、「安定供給は維持できる見通し」としている。

   J-CASTニュースは停電が起こる可能性について聞いてみた。すると、同社広報部は「過去、電力不足で停電が起こったケースはありません。ご指摘のように、現在電力は十分とはいえませんが、停電という最悪の事態を避けるため、他の電力さんから応援融通してもらうなどの方策を進めています」と答えた。

   「万一のときはどうなるのか」の問いには「前例がないので、わかりません」とのことだった。