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リング汚したTBS 亀田一家とは「共犯関係」

   「亀田問題」騒動はとどまる兆しがない。反則行為のみならず、亀田一家のカゲキなパフォーマンスと、それをいわば助長したかたちになるTBSにまで批判の矛先が向けられている。つまり、TBSと亀田一家との「共犯関係」が問われているのだ。

JBCに要求すると、「テレビ局の意向だから」

TBSと亀田一家との「共犯関係」が問われる段階に・・・
TBSと亀田一家との「共犯関係」が問われる段階に・・・

   元WBA世界フライ級チャンピオンの渡嘉敷勝男氏はJ-CASTニュースに対し「スターが出れば持ち上げ、悪い奴は叩くというのがメディアの当然の報道」と指摘する。そして、テレビ放映で「ヒールのイメージで高視聴率を維持してきたが、最近は人気が衰え、悪評ばかりが目立つ」と述べている。その一方で、ボクシング界に今回の「亀田問題」が与える影響については次のように述べている。

「お父さん(史郎氏)のヒールのイメージが目立ちすぎてしまった。品が悪い、ボクシングは紳士のスポーツではないのか、という意見も当然あるだろう。よくボクシング界はほったらかししていたなと思う」

   亀田父・史郎氏は06年9月27日の試合で野次を飛ばした観客と乱闘騒ぎを起こしたこともあるほか、07年10月11日の大毅選手の試合で「タマ打ってまえ」といった「反則指示」をしていた疑惑まで浮上していた。
   亀田大毅選手と内藤大助選手の試合の世帯視聴率(関東地区)は28.0%(ビデオリサーチ調べ)。いわば、「ヒール」役としての亀田の注目度が、高視聴率につながったという面はある。これだけとれば、TBSにとっては「商品価値」がある、という見方もできそうだ。

   しかし、亀田家を独占して放送してきたTBSへは、内藤選手との試合直後の12時間だけで1,500件近いクレームが寄せられ、「実況が亀田より」であることへの批判が殺到。メディアでも、「TBSが亀田親子を増長させた」との批判が相次いだ。

   TBSと亀田一家との「共犯関係」について物語るエピソードは前々からあった。06年6月26日毎日新聞に掲載されたインタビュー記事では、元WBAライトフライ級チャンピオンの具志堅用高氏が、大毅選手が試合後にリング上で歌うことをやめさせるように日本ボクシングコミッション(JBC)に要求すると、「テレビ局の意向だから」と突っぱねられたエピソードを紹介している。ご承知のように、大毅選手の「熱唱」は毎度のようにTBSで放映された。

「指摘は真摯に受け止めたい」とTBS

   大毅選手と内藤選手の試合翌日、TBS関係者は「批判を受けて番組編成を変えることは理屈から言ってない」とまで言っていたが、高視聴率を取れるといえども相次ぐ批判で亀田戦を独占放送し続けるのが難しくなってきている。実際、10月18日に放送するはずだった大毅選手が「独占激白」するドキュメンタリー番組も放送中止になった。

   TBS広報部はJ-CASTニュースに対し、

「メディアのみならず、視聴者や関係者の方からさまざまな指摘を受けております。その点は真摯に受け止めて、これからの番組作りに活かしていきたいと考えています」

と述べている。

   JBCは2007年10月15日、亀田大毅選手(18)が内藤大助選手(33)とのボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチで、レスリング行為などの反則行為を繰り返したなどとして、同選手に1年間のライセンス停止処分を下し、父・史郎氏にセコンドライセンスの無期限停止処分、兄・興毅選手にも戒告処分が下された。10月17日は大毅選手と史郎氏が「謝罪会見」をJBCで行い、大毅選手が無言で会見途中退室。翌18日には大毅選手が内藤選手に直接謝罪した。しかし、その後も亀田一家に対する批判はとどまる気配はない。