J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

亀田騒動はTBSに責任 テレビ局トップの相次ぐ批判

   プロボクシングの亀田大毅選手の反則で火がついた亀田騒動。兄の興毅選手の謝罪会見でひと段落したが、亀田一家をずっと持ち上げてきたTBSの責任こそ大きいという批判が民放テレビ局のトップから相次いで浴びせられている。

テレビ東京、フジテレビ、テレビ朝日の社長が批判

テレビ各社の社長からもTBS批判が相次いでいる
テレビ各社の社長からもTBS批判が相次いでいる

   興毅選手は2007年10月26日の会見で「亀田家のせいでボクシング界全体がイメージを悪くし、申し訳ございません」と沈痛な顔で語った。ボクシングファンからは「パフォーマンスで調子に乗った亀田親子も悪いが、利用しておいて、パッシングを受けるとポイ捨てするTBSはもっと悪質」などTBS批判が巻き起こった。
   TBSは亀田3兄弟と契約を結んで、04年から試合を独占中継してきた。06年8月の興毅選手とランダエタ選手との世界戦では42.4%とボクシング中継史上2位の高視聴率、9月11日の大毅選手の世界戦も28%と数字を稼いだ。(ビデオリサーチ調べ、関東地区)

   TBS批判は民放テレビ局のトップからも相次いだ。テレビ東京の島田昌幸社長は「視聴率的には大成功かもしれないが、それでいいのか。責任がないとはいえない」。フジテレビの豊田晧社長は「ボクシングはルールがあってこそのスポーツ。ルールを大切にしないと」、テレビ朝日の君和田正夫社長は「スポーツとして扱っているのか、イベントとして扱っているのかわからない」とそれぞれ疑問を呈した。
   ある放送担当記者も

「昨年4月のTBSの番組審議会でも、1人の委員から『亀田兄弟の取り上げ方はあまりにも商業主義的。抑制しないとスポーツの持つ意味がだんだん変わってくる』と言う意見が出た。しかし、TBSは何の対応もせず亀田一家のやるに任せていた」

と明かす。

「反則指示のシーンは普通ならパッと場面を切り替える」

   TBSは、亀田一家が試合前の会見で悪態をついたり、試合が終わった後に歌を歌ったり、18歳の大毅選手が年長のボクサーに暴言を吐いたりするシーンを放送し続けてきた。今回の大毅選手の世界戦では、父と兄が反則の指示をする姿と声がはっきりと流れた。

「父と兄の反則指示のシーンは普通ならパッと場面を切り替える。日本テレビやフジテレビならそうしただろう。民放のNHKといわれるTBSは紳士然としている。慣れないことをやって墓穴を掘った。亀田一家の一連のあざといパフォーマンスも注意するのがメディアとしてのTBSの本来の役目だったのではないか」(放送記者)

   一方のTBSは、11月1日に開かれた定例会見で、井上弘社長が「反則行為によって、残念な試合になったことは遺憾に思う」としながらも、亀田戦中継については「視聴者も興味がある」として継続する意向を明らかにした。テレビ業界からの批判は届かなかったようだ。

   TBS株を大量保有して業務提携を迫る楽天の三木谷社長は「いまのテレビは視聴率至上主義で、くだらないバラエティーばかり。我々ならもっといい番組をつくれる」と語っていた。TBSはこれにどう答えるのだろか。