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MS日本語入力ソフト 「使えば使うほどお馬鹿に」

   マイクロソフト(MS社)からリリースされた新OS「ウィンドウズ・ビスタ」を、ブログで「最低の品質」と書いて議論を呼んだ、古川亨さん(元MS日本法人会長)が、また新たにブログで「古巣」に矛先を向けている。日本語入力ソフトMS-IMEのことを、「使えば使うほど、お馬鹿になっていく」とこき下ろしているのだ。実際、漢字変換がおかしい、手間がかかって使いにくい、と感じている利用者は多い。

「奇妙な変換結果に笑わせてもらっています」

誤変換繰り返すと「お馬鹿」に?(写真はイメージ)
誤変換繰り返すと「お馬鹿」に?(写真はイメージ)

   古川さんは2006年10月には、自身のブログにマイクロソフト関係者の声として

「多分過去出荷したWindowsのバージョンに比べて(Windows vistaは)最低の品質」

と書き、波紋を広げた。

   さらに、11月には、MS社以外の第3者が作った「ビスタ」の解説ページを、そのドメイン名からMS社がつくったページだと思いこみ、その内容に立腹する騒動まで起こしている。

   そんな中、今度古川さんが矛先を向けているのが、ウィンドウズに標準で付いてくる日本語入力ソフト「MS-IME」だ。10月28日の記事に、こんなことを書いているのだ。

「どんどん馬鹿になっていくMS IME、一体どうしてしまったの? 使えば使うほど、お馬鹿になっていくマイクロソフトのかな漢字変換、MS IME、最近ますます奇妙な変換結果に笑わせてもらっていますが、正しい変換結果を入力するのに余りに手間がかかって嫌になってしまうのです」

このように、誤変換の多さを嘆いた上で、「甲斐減少(正しくは怪現象)」「感に(簡易)」「派無(話)」などと、その実例を列挙している。「アメーバニュース」でも、10月29日に、この話題を取り上げ、

   「本誌記者もMS IMEを使っているが、なかなか笑わせてくれるのだった」

と嘆いてみせた。

MS-IMEに批判的なものが優勢

   では、実際のところはどうなのか。

   J-CASTニュースで調査した限りでは、各日本語入力ソフトの誤変換の割合・傾向を統計的に集計したものや、ソフトのシェアを示したものは特に見あたらない。ただ、ブログでの評判を分析する「kizasi.jp」で検索すると、もっとMS-IMEに対して批判的なコメントが目立つ。具体的な操作方法を解説しているだけのブログを除くと、

「ぶっちゃけMS-IMEって馬鹿だしね!」
「MS-IME に我慢できなくとうとうATOK 購入」

などと、「評判」の面では、MS-IMEに批判的なものが優勢だ。一方の「ATOK」という言葉で検索すると、ATOKを非難する言葉はほとんどヒットしない。

   また、「ミクシィ」のコミュニティーにも、MS-IMEの変換精度の低さを嘆くものがあり、「事務所」「スーファミ世代」「オリコン」といった、大して難しいとは言えない言葉が変換できない、という指摘が上がっている(この3単語、J-CASTニュース記者が使っているATOKでは、1回で変換できた)。

   なお、古川さんの指摘について、マイクロソフトの広報部にコメントを求めたところ、

「Vista IME(正式名称はMicrosoft IME)/Office 2007 IMEのどちらも、ミスタイプ、誤変換のまま確定、削除というような動作を繰り返すと、その学習結果の副作用として変換効率が悪くなる(予期しない変換結果や以前誤変換のまま確定してしまった漢字がでる)可能性はあります」

と、トラブルの原因を推測。誤変換のまま「確定」させてしまうと、いわば「お馬鹿になる」、ということのようだ。