収益力では「勝負あった」 世界一狙うトヨタがGM離す
2007.11.26 11:19
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今年の世界販売台数で首位を争うトヨタ自動車と米ゼネラル・モーターズ(GM)。だが、財務体質ではくっきりと明暗を分けた。トヨタの2007年9月中間連結決算は売上高や最終(当期)利益が過去最高を更新したのに対し、GMは7~9月期決算で389億ドル(約4兆3000億円)もの最終損失を計上した。「販売レースはし烈だが、収益力では勝負あった」との見方が大勢だ。
サブプライムがGMを直撃
トヨタはGMを抜き去るのか
トヨタの9月中間決算は売上高が前年同期比13.4%増の13兆122億円、最終利益も同21.3%増の9424億円に達した。GMの4~9月期の売上高は906億ドル(約9兆9700億円)にとどまり、中間決算でトヨタが初の世界首位に立った。トヨタが08年3月期通期決算で年間ベースでも初の売上高世界1に躍り出る可能性が一段と強まった。
トヨタの好業績をけん引したのは、中国など新興国とオイルマネーで潤う中東など資源国での販売増。4~9月の販売台数は、日本国内は前年同期比6.2%減の100万台だったが、世界全体では3.8%増の430万台。木下光男副社長は「今までは米国や欧州が中心だったが、バランスのとれた良い収益構造ができつつある」と評価した。
一方、GMが巨額赤字に陥ったのは、米国の低所得者層向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題に直撃されたためだ。GMは収益回復を見込んで繰り延べ税金資産を計上していたが、GMの関連金融会社でサブプライム絡みの損失が拡大し、繰り延べ税金資産を取り崩すための費用386億ドルを計上せざるをえなくなった。