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関西ナンバーに車検拒否続々 悪質駐車は依然「なにわ名物」

   駐車違反金を納めずに車検更新を拒否されるのは、「なにわ」「神戸」「大阪」と関西ナンバーが上位を占めていることがわかった。駐車マナーが悪く、取り締まりにも苦情をまくしたてるとして、駐車違反は「なにわ名物」とも揶揄される。関西人はここではまた、「財布のひもが固かった」(調査関係者)らしい。

「なにわ」「神戸」が拒否の1、2位

   歌手の倖田來未さん(25)が運転中の携帯電話使用で警官と30分も言い争いになったとフライデー2006年4月14日号で報じられたとき、ネットでは「これだから関西人は」などとその交通マナーの悪さが議論になった。さらに、関西人にとっては不名誉な駐車違反関係のニュースが、ここ1週間で相次いで報じられた。

   国土交通省近畿運輸局の調べによると、07年7月までの1年間で、駐車違反金を納めないで車検更新を拒否されたのは、全国トップが「なにわ」ナンバー(大阪市)で981件。続いて、2位に「神戸」ナンバー(兵庫県神戸市、尼崎市、明石市)830件、4位に「大阪」ナンバー(大阪府茨木市、高槻市、吹田市)765件が入った。ベスト4に、関西ナンバーが3つも占めていたのだ。首都東京からは、わずかに「品川」ナンバー(東京都の一部)779件が3位に入った。

   また、近畿2府4県の車検拒否件数は、全車検台数の0.130%を占め、全国平均0.054%の2.4倍だった。これは、2番目に高い関東地区の0.068%に比べても際立った数字だ。ちなみに、不払いによる車検拒否制度は、06年6月の改正道路交通法施行で導入された。

   なぜ関西のドライバーは、駐車違反金をなかなか納めないのか。J-CASTニュースが、調査した近畿運輸局や取り締まりに当たる大阪府警に聞いても、「どうしてなのかはよくわからない」と答えるのみだった。ただ、調査関係者からは、「財布のひもが固い関西人の気質が影響しているのかもしれない」との指摘があった。

「大阪に偏見は持たないでね」の声も

   関西ドライバーの交通マナーについては、ネットでも議論が盛り上がっている。ミクシィの日記では、マナーの悪さを指摘する声も多い。

「でも、こういっては何ですが、近畿のドライバーは本気で運転荒いです。もしほかの地方から運転してくる方は、十二分にご注意を。(中略)そして、大阪はとにかくウインカーをたかない。おかげで予告なく曲がろうとするので、原チャ民としては命の危険との戦いです」
「あぅぅ、なんちゅう恥ずかしいネタやねん。。。 でもほんま、路駐多いしなぁ。。。はぁ。。。」

   もちろん、関西人と見られるユーザーからの反論もある。

「許せん!!大阪悪く言って何が楽しいの?実際私が運転してて後ろにTAIL TO NOSE で嫌がらせした挙句恐ろしい回数のパッシングして追い越して行くのは全国的におしゃれなイメージの3ナンバーの車ばっかりです!!『なにわ』や『大阪』にされた事ないです。(中略)大阪に偏見は持たないでね」(以上、中略は編集部挿入)

   駐車違反の取り締まり業務は、06年6月から民間業者に委託されるようになった。取り締まりそのものも強化され、当初、駐車監視員には「トイレ我慢したら病気になるやろ」「皆やってるやんか」と罵声が浴びせられるケースも報道された。

   現在でも、関西ドライバーの取り締まりは難しいのだろうか。大阪市のある業者は、「やりにくい部分はあると思う。まだ違反の数も多いのではないか」と漏らす。一方、「大阪での取り締まりはクレームが厳しく、割に合わない」と当初参入を見送った別の業者は、07年4月から大阪市内での取り締まり業務を始めた。この業者は、「物腰柔らかな対応をすれば、感情的になるのを防止できました。思ったよりも、クレームがありません」と話した。

   もっとも、関西人は損得勘定には敏感らしい。車検拒否された人でその後、駐車違反金を払わなかったケースは数件だけ。ほとんどが車検を通すために、素直に違反金支払いに応じた。皮肉なことに、損得勘定に訴えて初めて、滞納対策に効果が上がったわけだ。