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「ふるさと納税」5万円以上 北九州市が地元特産品を贈呈

   個人住民税の一部を、出身地など自分が希望する自治体に納めることができる「ふるさと納税」の検討が進むなか、自治体がその「争奪戦」に知恵を絞っている。北九州市では高額納税者に「小倉牛」「豊前海一粒かき」などの贈呈を考えたり、「庭園のペア優待入場券計画」(佐賀県)など、さまざまなアピール方法が出始めている。

「豊前海一粒かき」「合馬(おうま)たけのこ」「小倉牛」?

北九州市は地元特産品の贈呈を検討中(写真は北九州市の玄関口・小倉駅)
北九州市は地元特産品の贈呈を検討中(写真は北九州市の玄関口・小倉駅)

   「ふるさと納税」は、与党の2008年度税制改正大綱に盛り込まれている制度で、住民税の1割程度を、居住地以外の自治体に寄付できる。税収の地域間格差を埋めることが主な目的とされており、すでに国会に法案も提出されている。

   そんな中、「納税獲得」に向けて予算を組んだのが、福岡県北九州市だ。同市は08年2月14日に発表した08年度当初予算案に、「ふるさと寄付金促進事業」として、1000万円を盛り込んだ。この予算を使って、高額納税者に対して市の特産品を贈呈することを計画している。市に5万円以上を納めた人が対象で、5000円程度の特産品を贈呈することが検討されている。具体的には、「豊前海一粒かき」「合馬(おうま)たけのこ」「小倉牛」、イワシやサバを醤油で煮る名物料理「ぬか炊き」などだ。

   財政局財政課に聞いてみると、

「『北九州市の特産品を』ということで考えていますが、5000円という枠があるので、特産品を少しずつ『詰め合わせ』にするか、いくつかの候補から選んでいただく方式にするかなどを検討中です。例えば『生ものはダメかも』といったことを含めて、色々と検討中です」

とのことで、

「北九州市出身者はもちろん、今は関係ない人にも北九州を知っていただき、魅力をアピールできればと考えています」

と意気込んでいる。

   予算案は、2月21日開会予定の市議会で提案・審議される見通しだ。

「ふるさと納税」の使い道を6つのメニューから選べる制度

   別のアプローチをする自治体もある。

   佐賀県では07年12月18日、「ふるさと納税」の使い道を「高校生のスポーツ活動を支援する」「県立図書館の児童書購入を支援する」など6つのメニューから選べる制度を発表した。そのほか、納税者に対して

「年に10日ほどしか一般公開されない庭園『九年庵』のペア優待入場券」
「佐賀県にまつわるトリビアなどを印刷したトイレットペーパー」

などの「お礼の品」のうち、ひとつが贈呈されるという。佐賀県の歳入戦略グループでは、

「色々と事前にアンケートをしたのですが、どうすれば『お礼の気持ち』を一番伝えられるか、ということになり、特産品などではなく、このような形に落ち着きました」

と話している。今後、全国の自治体は「争奪戦」に知恵をしぼることになりそうだ。