2020年 5月 27日 (水)

「オール電化」に押され気味 苦境のガス業界

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   ガス業界がさえない。背景には主力のLNG(液化天然ガス)の輸入価格が上昇するなど原料費の増加による業績悪化があるが、地球温暖化対策の出遅れも「逆風」になっている。こうした中で東京ガスなどは08新年度に入り、安全性を高めた新たなガス器具を前倒しで投入したり、ガス料金の一部を値下げしたりと、イメージアップ作戦を展開。しかし、どうもこれらも空振りの様相で、株価もあまりパッとしない。

原料費の高騰がガス料金にはね返る

ガスは「オール電化」に押され気味だ(写真はイメージ)
ガスは「オール電化」に押され気味だ(写真はイメージ)

   ガス業界をウォッチする岡三証券のアナリスト・宮本好久氏は、都市ガスを襲う原料費の高騰はまだ続くとみている。「天然ガスの産出国が自国優先の政策に転換していることもあって、LNG価格の需給はさらにタイトになる見通しです」と話す。

   原料費の高騰は国の原料費調整制度に基づいてガス料金にはね返り、結果4月からガス料金が標準家庭で月々162円上がった。それが、まだ止まらないかもしれないのだ。

   しかし今回の値上げについて東京ガスは、経費削減効果を還元するとして、「自助努力」で約77円(標準家庭)を引き下げ、実質の値上がりを85円に抑えた。「顧客負担を少しでも軽減したい」(広報部)とがんばったのだ。

   東京ガスが固定費の削減値下げに踏み切ったのは、電力業界との料金競争がある。原料費の上昇分は電力業界も原料費調整制度によってその分を転嫁しており、標準家庭の電気料金は4月から月々156円アップしている。

   ガスも電気も生活に欠かせないだけに、料金の値上げに消費者は敏感だ。それもあって値上げ幅のわずかな差でも、ガス業界にはマイナスイメージがつく。アナリストの宮本氏は、「東京ガスにとっては電力業界との競争上、やむを得ない値下げでしょう」とみている。

   「ガスVS電力」が激化する背景には、電力業界が「地球温暖化防止」や「安心、安全」を謳い文句に推進する「オール電化」住宅が増えていることがある。

   電力業界の「エコキュート」、ガス業界の「エコウィル」はともに家庭でできる地球温暖化対策として注目されているが、日本冷凍空調工業会の調べによると、エコキュートの国内出荷台数は07年9月末で100万台を超え、12月末で107万台に到達した。

   一方、ガス業界が取り組む家庭用ガスコージェネレーションシステム「エコウィル」の出荷台数は、5万5000台。ガス業界にはもうひとつ、「エコジョーズ」と呼ばれる、従来の給湯器では排気ロスとして大気に放出されていた熱を回収して「再生」する仕組みがあって、こちらの出荷台数は54万4000台(いずれも、07年12月末実績)ある。

   とはいえ、その合計でも59万9000台と、電力業界のエコキュートに大きく水をあけられてしまって、ガス業界にとってはなんとも分が悪い。

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