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外食は値上げラッシュ サラリーマンの昼食も直撃

   食材などの高騰を理由に、メニューを値上げする飲食店が増えている。ファーストフード店など外食チェーンに加え、個人経営店でも価格改定に踏み切るところが出て、「外食」は値上げラッシュ状態になってきた。

ファーストフード店も値上げラッシュ

値上げラッシュでサラリーマンの昼食がピンチに…(写真はイメージ)
値上げラッシュでサラリーマンの昼食がピンチに…(写真はイメージ)
「定食屋やラーメン屋などに行くと、ここ数か月で全メニューの値段が平均的に50~100円ほど上がっている」
「昼食でよく行くラーメン屋も50円の大幅値上げとなりました。あらゆるものが値上げとなっていて、住み辛い世の中になったものです」

   最近ネットでは、こんな書き込みが増えていて、外食の値段がこのところ急に上がりだしたのは間違いないようだ。

   中でも値上げが目立っているのは、ラーメンやうどんといった麺類だ。輸入小麦や食用油の価格が2008年4月に値上げされたことが、影響している。

   全国に麺類店を展開するサガミチェーンは、「サガミ」の全メニューを3月に20~40円値上げした。値上げによる客足への影響について、広報担当者に話を聞いたところ、「確かに、鈍っている」という。また、ほとんどの店が大通りに面していて、「ガソリン価格の高騰で、車で来店する客が減っている」こととあわせ、ダブルで響いているようだ。

   ファーストフード店も値上げラッシュだ。

   日本マクドナルドは一部の商品の価格を5月30日に値上げした。「ビッグマック」は首都圏で290円から310円に、「チーズバーガー」は全国で100円から120円になった。値上げ率は地域によって異なり、全国平均で2%、大都市圏で1.5%だ。

   日本サブウェイが展開するサンドイッチ・チェーン「サブウェイ」でも、3月からサンドイッチ12品を10~30円、サイドメニューやドリンクも値上げしている。

   「もともと頻繁に利用していただいているヘビーユーザーには影響は出ていない」と広報担当者は話すが、いまだに原油や食材の値上がりが続いていて「厳しい状況」だ。しかし一方では、客足への影響も考えると、「これ以上の値上げはしたくない」という思いもあるようだ。

「だいたい50~100円上げているようです」

   個人が経営するお店でも事情は同じだ。例えば、秋田県で定食屋を営む店主のブログには、

「5月からの物価の上がり幅を見て『もう現状維持は限界』という結論に達し、5月1日から1品10~30円の幅で値上げをさせて頂きます」

と書かれている。

   値上げに踏み切ったのは、もやしやこんにゃくにも値上げの動きがあるからだという。周辺でも値上げしている店が多いようで、「だいたい50~100円上げているようです」。

   今のところはお客に値上げを理解してもらえているというが、「客が減るのではないか」という心配もあるようだ。

   住宅ローンやクレジットカード事業を展開するGEコンシューマー・ファイナンスが6月4日に発表した「サラリーマンの小遣い額」に関する調査によると、月額4万6300円と前年に比べてマイナス2500円もダウンしている。昼食代は前年に比べて60円マイナスの590円と、01年の710円から年々減っている。

   年代別にみると、50歳代が630円とやや高くなっているものの、他の年代はいずれも500円台で、最も低いのは40代の530円だった。小遣い額が減る一方で、外食店の値上げラッシュに、サラリーマンには苦しい「昼飯事情」になるのは確実だ。