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毎日新聞がネット書き込みに「法的措置」 騒動拡大、2ちゃんねるで「祭り」

   毎日新聞をめぐり、巨大掲示板「2ちゃんねる」などネット上で「大騒動」が起きている。同社の英語版ニュースサイトが少なくとも5年間に渡って「変態ニュース」を配信し続けていたことが発端だが、毎日新聞がこの問題にからんで「誹謗中傷の書き込みには法的措置を取る方針だ」と発表し、さらに騒動が拡大している。

「全く関係のない複数の女性記者を著しく誹謗・中傷」

毎日新聞が2ちゃんねるの「祭り」の渦中に
毎日新聞が2ちゃんねるの「祭り」の渦中に

   毎日新聞の英語版ニュースサイト「Mainichi Daily News」内にあった「WaiWai」というコーナーでは、「ファストフードで女子高生が性的狂乱状態」と題された記事や、「弁護士が六本木のレストランで豚を獣姦し、その後食べた」「息子の成績を上げるために息子と性的な関係を勉強前に持つ母親がいる」といった内容の記事をすくなくとも5年間にわたって配信していた。J-CASTニュースが毎日新聞社に取材し、08年6月20日に「ご指摘の英文記事は過去に配信しておりました」と事実を認めた。

   その後、「低俗すぎる」などの批判が相次ぎ、毎日新聞社は2008年6月24日に読者に謝罪。6月28日には、当時常務デジタルメディア担当だった朝比奈豊社長を役員報酬10%(1か月)返上、記事を担当していた記者を3か月の懲戒休職とするなどの処分をネットと紙面上で発表した。また、これまでこれらの記事が雑誌の引用によるものなどとしていたことについても、一部で「元記事にはない内容を記者が加えていたケース」があったと認めている。

   しかし、そこには、

「インターネット上には、今回の処分とは全く関係のない複数の女性記者、社員個人の人格を著しく誹謗・中傷する映像や書き込みが相次いでいる。毎日新聞はこうした名誉を棄損するなど明らかな違法行為に対しては、法的措置を取る方針でいる」

とネットユーザーへの「警告」が書かれていた。

「2ちゃんねる」では10万を超える書き込み

   ネット上の掲示板やブログでは「変態ニュース」発信の事実が明らかになってからというもの、毎日新聞社や常務デジタルメディア担当だった同社社長、記事を書いた外国人記者への批判が相次いでいたが、一部で、別の部門を担当する女性記者の情報などが晒されるなど、個人を誹謗・中傷する書き込みがあったようだ。しかし、ネット上では毎日新聞の「警告」に対して反発する書き込みが相次いだ。

   はてなブックマークでは

「誹謗中傷で法的措置というと、原告が女性社員で被告が毎日新聞だろうか」
「そうだね>日本人女性全てに変態新聞を名誉毀損で訴える権利がある」

といった皮肉なコメントが書き込まれている。

   さらに巨大掲示板「2ちゃんねる」でも、毎日の「警告」が出されてから2008年6月30日夕方現在までで10万を超える書き込みが相次ぎ、そのほとんどが、同紙英語版サイトが配信した記事について「許せない」といった批判的なもの。なかには誹謗中傷や罵詈雑言も多く含まれている。

   ネットでは住人たちが一つの話題に群がり、ときに悪意が燃えさかる。彼らはそれを「祭り」と呼ぶ――これは2007年元旦の毎日新聞の1面記事で書かれた文章だ。そして、今回「祭り」の渦中にいるのが毎日新聞と言うことになりそうだ。