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ネット通販は景気の影響を受けない! 「楽天市場」過去最高の日商30億円

   世界的な金融危機による不況が深刻化する中、楽天のECモール「楽天市場」の一日の売り上げが過去最高の30億円を突破した。2008年12月7日のことで、前年比では30%増。楽天に限らず08年は「ヤフー」、「アマゾン」といったインターネット通販大手は軒並み好調。「ネット通販は景気の影響を受けない」(楽天の三木谷浩史社長)というのが業界の一致した見方らしいが、その背景には何があるのか。

商品は店頭で値段をチェック、ネットで安いものを検索

   「楽天市場」の日商が過去最高を記録した日は、民間企業のボーナスが出揃った初めての日曜日。同社ではこの日を「ボーナス・サンデー・ナイト」に設定。価格をテーマに、全店ポイント3倍のキャンペーンを実施した。08年の通常の一日売り上げ平均は17億円。それが30億円に跳ね上がったのだ。最も売れたのは家電類。食品関連も人気で、「おせち料理」の売れ筋も不景気下でも昨年と同じ2万円前後。一度買った人はリピーターになることが多く、注文数が増え続けているのだという。

   楽天広報はJ-CASTニュースの取材に対し、

「お客様は価格にシビアになっていて、1円でも安い商品を探しているようです。土日に実際の店舗に行き商品と価格をチェック。日曜の夜にネットで同様の商品を探し、価格の安さで選ぶ、そんな傾向が見て取れます」

と話す。家電製品が売れるのも、実際の店舗で型番と値段を調べた後、「楽天」で同じ商品を検索し、購入を決めたのではないか、としている。

   08年12月14日は公務員のボーナスが出て初めての日曜日。同社ではこの日も「ボーナス・サンデー・ナイト」に位置付けて、セールを展開する。

「グルメ」商品は7倍売れるようになった

   年末商戦に限らず、インターネット通販は軒並み好調で、「ヤフー」「アマゾン」とも08年は売り上げが前年比で2ケタ増だった。「楽天」は、08年1月から9月まで売り上げ前年比で23%~26%増で推移。08年10月23日に生鮮食料品を翌日配送する「グルメスピード便」を「あす楽」にリニューアルし、家電、日用品、化粧品など取り扱いアイテムを拡大したところ、「グルメ」はそれまでの7倍売れるようになったという。

   三木谷浩史社長は08年11月7日、決算発表の会見で、

「ネット通販が景気の影響を受けないことが証明できた」

と、業績の好調ぶりを強調。「家食」(自宅で食べることを目的にした食材)が好調なのは、自宅で過ごす傾向が強くなっているからだとし、

「(消費者にとって)ネットショッピングの魅力が増している」

と、強気の分析をしている。