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不況下の節約作戦 貸し借りや物々交換サイト

   この不況下、少しでも節約したいというわけで、自分にとって不要なものを他の人に渡して有効に使ってもらおうという交換サービスが話題になっている。ネット上にはこうしたサイトがいくつも登場している。

「欲しいものは購入、消耗品はシェアで」

   エニグモ(東京渋谷)が運営する携帯電話向けサイト「シェアモ」。会員は、自分が使わなくなったものを「出品」し、商品を使いたいユーザーは「借りる(シェア)」ことができるという単純な仕組みだ。その際、利用者は送料を負担するだけで借り受けることができる。そして、商品を出品したり、シェアしたりするときに発生するポイントを一定数ためれば、欲しいものを「引き取る」ことも可能だ。

   サービスは2008年1月から開始した。実際にサイトをみると、本やDVD、CD、衣類、コスメ、家電など様々な商品がラインナップされている。エニグモの担当者は「本やCD、ファッションやベビー用品での利用が多いみたいです」と話す。なお、商品のシェア期間は、10日~半年内で出品者が自由に決める。

   実際に「シェアモ」を利用したというAさんはブログで、「たい焼きがやけるフライパン」を引き取ったことを紹介した。もっとも、人気の商品には希望が殺到するため、逃してしまったことが多いとも書いている。また、ある主婦の場合は、息子にキックボードが欲しいと迫られたが、すぐに飽きるだろうと推測。そこで、「シェアモ」を利用して手に入れ、飽きたら出品したという。さらに、使ってみたいダイエット器具を試すために、利用している人もいるそうだ。

   「シェアモ」の会員数は現在、2万人を超えている。前出の担当者は「自分が使っていないものが有効活用されるのがうれしい、節約にもなる、といった意見が寄せられています。特に、08年秋以降、本当に欲しいものは買うけど、そうでないものはシェアで、と考えている人は増えているようです」。

ファッション、子供服に特化したサイトが続々

   利用者同士が物々交換できるサイトもある。たとえば、CASUAL STYLING(埼玉県富士見市)が運営するのは、ファッションに特化した物々交換サイト「fazoo」。08年3月にオープンした。会員数は非公表だが、女性利用者がやや多く6割をしめている。メディアに取り上げられたことも一因だが、08年11月、12月の利用者は前月比3倍と会員数が伸びている。

   代表の是川泰之さんは、使っていない、埋もれている服を有効活用できる場としてサイトを立ち上げた。「不況で財布のひもが固くなっているので、物々交換を利用するのは一つの手」とプッシュする。

「女性の場合、気軽におしゃれチェンジしたいという気持ちもあるのでしょう。買うまでもないけれど、自分の手持ちと交換して、別の服を楽しみたいという人が多いようです」

   一方、子供服に特化した物々交換コミュニティ「こそだてママ・マーケット」。2005年のオープン以来、登録者は3万9000人。月間の利用者は200~300人だ。サイトでは、使わなくなった子ども服などを出品した際に発生するポイントを貯めることで、新たな商品を注文できる仕掛けだ。特に、子どもの場合は成長が早く、洋服のサイズアウトも早いので重宝する人は多い。なお、出品は無料、注文商品の配送には500円、そして、1着当たりサービス利用料200~600円がかかる。

   サイトを運営するピーエスシー(東京都港区)メディア事業部の深田洋介さんは「ユーザー同士でやりとりした場合、基準がバラバラでトラブルになるケースもある。そこで、決済も含めて当社が管理することで、クオリティを一定に保ち、気持ちよく利用できるようにしている」と話している。

   いずれにしろ、この不況下の節約法の一つとして、物々交換サイトが活躍しそうだ。そのほかには、「物々交換サイト WaWaWa」、「物々交換サイト モノチェン」、本に特化した「あるかも~ね.BOOK」、本・ゲーム・DVDを扱う「ビブリー」などがある。