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高級ブランド店ガラガラ 中古販売も売り上げ激減

   不況で、海外の高級ブランドもめっきり売れなくなった。老舗ブランドは、「円高還元」を理由に値下げに走るが、都内直営店は土日でもガラガラ。そのあおりで、中古ブランド品を扱う大手チェーン店も売上高が大幅に前年を下回り、「売れるものといえば、財布など単価の安いものばかり」と嘆いている。

大手中古品販売店の売上高2月33.3%減

   ブランド品の買い取り、販売チェーンのコメ兵が09年3月期月次売上高を3月9日に発表した。08年4~8月は前年比100.6%~114.4%と好調だったが、9月に3.7%減とマイナスを記録すると一気に落ちていく。10月は18%減、11月にやや回復するが15.9%減、12月は23.1%減、09年はさらに減り、1月27.5%減、2月33.3%減。

   経営企画部の担当者は、

「売れるものといえば、財布など単価の安いものばかりです。新品(新古)も扱っていますが、安い中古のほうが売れています」

と話す。

   苦肉の策として、3月12日からバッグなどを10%値下げしている。

   買い取りにも変化が見られるようだ。

「直営店でブランドを買う人が減っているようで、新作が入ってきません」

   海外で買い付け、ディスカウント価格で販売している「ブランド王ロイヤル」(東京都新宿区)。

   運営しているロイヤルシステムの広報担当者は、こう語る。

「一時期と比べたらお客さんが減っています。円高差益分を還元し、2~4割ほど安くして売っているので、売上げへの影響はさほど出ていませんが・・・」

   もっとも、「今後はわからない」としている。

2階以上にはお客が誰一人いない、という惨状

   「値上げ」はしても「値下げ」をしない、という姿勢を貫いてきた高級ブランド。値下げすれば「ブランドイメージに傷がつく」と思っているからだ。ところが08年後半から、「円高還元」を理由に値下げに走っている。

   「ルイ・ヴィトン」は平均7%、「クリスチャン・ディオール」は同8%、「サルヴァトーレ・フェラガモ」はバッグ同8.8%、婦人靴14.6%、「カルティエ」は同10%、「ティファニー」は同9%値下げ。「プラダ」も09年3月14日から春夏商品の4分の1程度を10%安くする。

   それでも、都内のブランド直営店は土日でもガラガラだ。東京・銀座にある老舗ブランドの直営店をのぞくと、1階の鞄、小物売り場に1~2人お客がいるだけ。2階以上には誰1人いない。店員は、「よくないことですが、いつもこんな感じです」と苦笑いする。

   別のブランドの店には鞄、小物売り場にお客が10人ほどいたが、見物しているだけで買う気配が見られない。東京・新宿のデパートの場合、ブランドが入っている階にいつ行っても、ちらほらとお客がいるだけ。ある伊ブランドでは春の新作に混じり、冬物が半額以下で売られていた。年始のセールで売れ残ったもので、値下げしても売れないようだ。

   そんな中、人気ブランドの新作を最大70%安く売るサイトが09年3月12日にオープンし、注目を集めている。

   米ギルト・グループが07年11月にアメリカでサービスを開始した。同国では「マーク・ジェイコブス」「クロエ」など約300のブランドを扱っている。ギルト・グループ日本法人のマーケティング担当者によると、ブランドやデザイナー本人が「扱って欲しい」と頼んでくるケースもある。

「ブランド側の意向で名前は明かせませんが、ビッグブランドも扱っています」

   ビッグブランドとは、ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールのような世界トップクラスのブランドを指すようだ。