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「神」と呼ばれる田代まさし 健在ダジャレに不思議な人気

   元タレントで2008年6月に出所した田代まさしさん(52)がネット上で活動を再開し、話題になっている。現在、自身のブログを開設し、動画サイトで冠番組を持つなど、徐々に活動の幅を広げている。そんな田代さんに、ネットでは励ましの言葉がたくさん送られている。不祥事を起こした芸能人としては異例の出来事だ。

あくまでもリハビリの一貫で少しずつ前へ進んで行きたい

   田代さんといえば、タレントとして活躍していた2000年9月に帽子、サングラス、マスクという姿で女性の下着を盗撮するという不祥事を起こして書類送検され、その後銃刀法違反や覚せい剤取締法違反などで逮捕されている。この度重なる不祥事に、巨大掲示板「2ちゃんねる」で格好のネタとして取り上げられ、田代さんは揶揄的に「神」と呼ばれていた。

   その後、05年2月には懲役3年6か月の実刑判決が下され、08年6月26日に出所、7月16日に東京で行われた出所報告会見では、「まだシャバの空気に全然慣れてない」「体調がすぐれない」とし、一部ろれつが回らず、指先を震わせる場面もあった。しかし、「ネット掲示板で出所を歓迎しようという動きがあったが」という質問に対しては、「騒がれていたことは手紙で知った。とても嬉しく思った」と言い、芸能界復帰については白紙を強調しながらも「ずっと活動してきたので自信はある。ただ周囲の人が決めること」と漏らしていた。

「生まれ変わった気持ちで取り組んでいきますので、よろしくお願いします」

   08年10月に開設したブログではこう述べている。その後もブログ内で、学園祭でのトークショーや、イベントでの総合司会などの活動を報告したり、バンド「シャネルズ」「ラッツ&スター」で共に活動していた鈴木雅之さん(52)ら、昔の共演者や知人に励まされている様子をブログ内で明かしたりしている。そのたびに「繋がりの有難さを実感してます」「自分で止めてしまった時間を動かさなければ」と、素直な心情を吐露している。そして、現在の自らの活動については、こう綴っている。

「芸能界復帰とみんなには思ってほしくない。あくまでもリハビリの一貫で 少しずつ前へ進んで行きたいと考えている」

「悔しいけど笑ったよ」

   そんな中、動画投稿サイト「Zoome」で公式番組「田代まさしのお久しブリーフ」が09年3月18日にスタートした。「Zoome」の広報担当者によると、田代さんが自分で「田代まさしの誕生日を祝う会」という動画を10月にアップしていたのがきっかけで、声をかけたそうで、田代さんサイドからは「復帰のためにいろいろやっていきたい」という話があり、今回の番組が実現したという。

「最初はユーザーから苦情が来ないかと心配していたのは事実です。また、田代さんについても1回で昔のカンをとりもどせるかなあ、とは思っていました」

と、胸のうちを明かす。しかし実際は、

「きちんと調子を取り戻してトークを披露していましたし、ユーザーからも荒らしではなく、あたたかい層に多く観ていただいているようで、安心しています」

と話す。アクセス数はこれまで配信された第2回までを合計して約4万件を数え、小道具を仕込んだギャグや次々と出るダジャレなど、昔の芸風をほうふつとさせる内容に、動画への「テロップ」と呼ばれるコメントにも、「悔しいけど笑ったよ」「駄洒落は健在だな!」「過去を反省してやってるならやり直せる」など、好意的なものが目立っている。

   なぜ根強い人気を保っているのか。前出の担当者は、ネット文化の中に「話題づくり」としてなじんでいる部分もあるが、とした上で、

「今は前向きで、原点に立ち返ってファンを大事にしている。そういったご本人の人柄が理由なのではないでしょうか」

と話している。