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オールスター戦「廃止」? 「ないといえない」プロ野球の苦境

   オールスターゲームがなくなるーそんなうわさが出ている。一昔前なら「夢の球宴」と呼ばれ、高視聴率を誇っていたが、近年は10%台と低迷。有名選手の大リーグ流出に未曾有の不況も追い打ちをかけて、スポンサー探しも苦しいようだ。そんな中で降って沸いたような廃止説に、関係者の間からは「ないとは言えない」との声も出てきている。

「テレビの数字取れなければ、スポンサーの引き受け手ない」

   プロ野球12球団の代表者による定例の「実行委員会」が2009年5月11日、都内で開かれ、廃止も含めて協議されたとスポーツ各紙が報じている。

   廃止の可能性はどの程度なのか。野球機構の関係者は、

「とりあえず今は、(廃止は)決まっていない」

と否定するが、「報じられていることもないとは言えない」ともいう。

   オールスター戦は1951年からセントラル・リーグとパシフィック・リーグの対抗方式で行われている。スター選手がリーグの枠を超えて対戦する「夢の球宴」とも言われ、テレビ中継されると30%台という高視聴率を取ったこともあった。

   ところが近年は視聴率が低迷している。2000年まで20%台だったが01年以降は10%台の連続。07年の2回戦はまさかの1桁台(8.2%)だった。

   視聴率が下がり、冠スポンサー探しが至難の業になった、と明かすのはセリーグ球団の幹部。

「いくら大きなイベントでもテレビの数字(視聴率)が取れなければ、スポンサーの引き受け手がない。この不況に加え、有力選手はほとんどメジャーに行っちゃったしね・・・」

交流戦が始まり、新鮮味がなくなった

   1988年から協賛していた三洋電機が、業績悪化を理由に2006年でスポンサーの座を退いた。07年は中古車販売大手のガリバーインターナショナル、08年は自動車メーカーのマツダが冠スポンサーについている。

   低視聴率の原因として取りざたされているのは、05年に始まったセ・パ交流戦の影響だ。ホーム・アンド・アウェー各2試合ずつの総当りで開催されている。

   「あれだけ交流戦をやっていたら、オールスター戦の新鮮味もないでしょう」と前出のセリーグ球団幹部も認める。

   ただ、やめられない事情もある。

「開催地も2012年まで決まっているし、選手たちの年金の財源になっていることもあるので廃止されることはないだろうが、将来的にはどうか・・・。現行の2試合から1試合に減ることは考えられます」