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「牛乳離れ」を食い止めろ! 有楽町で牛が「出張」アピール

   6月1日「牛乳の日」を前に、2009年5月31日、東京の有楽町駅周辺で「MILK EXPO@有楽町」が開催された。より牛乳に親しんでもらおうと、関連団体や企業が趣向を凝らしたイベントを企画した。特に母牛1頭、子牛2頭の「搾乳・哺乳体験」や、牛乳の「飲みっぷりコンテスト」では、親子連れなど多くの客でにぎわった。

有楽町で「搾乳・哺乳」体験

その「飲みっぷり」、見事!
その「飲みっぷり」、見事!

   国際連合食糧農業機関(FAO)は6月1日を「世界牛乳の日(World Milk Day)」にするよう提唱している。これに合わせて、日本酪農乳業協会が08年から毎年6月1日を「牛乳の日」、6月を「牛乳月間」と定めている。

   そこで、「牛乳」に幅広くふれあってもらおうと開催されたのが「MILK EXPO@有楽町」。有楽町駅周辺の5会場で数多くのイベントが催された。中でも盛り上がっていたのは、実際に母牛の搾乳体験や子牛への哺乳体験ができる「モーモー広場」だ。会場が設置された有楽町マリオンスペースを通りかかる人は銀座・有楽町に牛、という一見風変わりな光景に驚いた様子だったが、主に家族連れが、普段体験できない牛との交流を楽しんでいた。世田谷区から来たという母親は「東京で乳牛なんて、なかなかない機会」と話し、お乳を搾っていた男の子も「触ったらふわふわしてあったかくて気持ちよかった。(牛乳がでると)『やった!出た!』って感じだった」と嬉しそうに話した。

牛乳の新しい「飲み方」提案

乳搾りを体験する男の子
乳搾りを体験する男の子

   総務省が09年5月1日に発表した3月の「家計調査報告」(2人以上世帯)によると、牛乳の1世帯あたり月間支出金額は1322円で、前年同月比3.4%減、購入数量は6.51リットルで同11.3%減と、下落傾向。日本酪農乳業協会が08年6月に行った「牛乳・乳製品の消費動向に関する調査」でも、1日1人あたりの牛乳飲用量は113ミリリットルと前年(07年)の122ミリリットルを下回るなど、「牛乳離れ」が進んでいる。日本酪農乳業協会はこの原因を、少子化による小中学生の減少、清涼飲料水の多様化や牛乳小売価格の値上げが影響していると分析する。

   イベントでは、新しい牛乳の活用方法も提案されている。「おいしいコラボ・ミルクカフェ」では、食品企業7社が、牛乳の新しい「飲み方」「使い方」を提案している。中でもにぎわっていたのが、牛乳と他の飲料をミックスして飲む「混ぜ飲み」だ。青汁と牛乳の「混ぜ飲み」に江東区に住む男性は「意外とまろやか。青汁と牛乳の栄養が両方摂れていい」と話し、はちみつ酢と牛乳のミックスドリンクに文京区の女性は「最初は合うのか、と思ったがさっぱりしてて新しい。牛乳だけで飲む機会は少ないが、これならデザート感覚で楽しめる」と感心していた。

   有楽町イトシア前スペースに設置された「メインステージ」では、牛乳の価値を改めて知ってもらうための「ミルククイズ」や、牛乳をおいしそうに飲むことを競う「飲みっぷりコンテスト」などのイベントが行われた。「偶然通りかかって」参加した八王子市在住の親子も、見事な「飲みっぷり」を披露し、毎朝牛乳を飲む、という男の子は「おいしかった」と満足そうだった。6月の「牛乳月間」はこの「MILK EXPO@有楽町」を皮切りに、全国各地で「牧場開放」や「工場見学会」など、多くのイベントが予定されている。