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東国原知事に驚愕シナリオ!? 自民から出馬で「7月6日辞表提出」

   東国原英夫宮崎県知事が衆議院選に出る条件として自民党に突き付けた「全国知事会マニフェスト100%受け入れ」だが、2009年7月2日の記者会見で「80%以上は入れて欲しい」とトーンダウンした。新聞などメディアは「バーゲンセールに出た!」などと知事を揶揄したが、このトーンダウンには裏があるという説が唱えられている。自民党からの出馬が決まり、自民党内の反発勢力を押さえるために発言したもので、7月6日に宮崎県に辞表を提出、翌日以降に出馬を表明するというのだ。

出馬条件下げたのは「バーゲンセール」か「手打ち」か

   知事は09年7月2日の記者会見で、自民党に突き付けた「次期総裁候補にする」と、「全国知事会マニフェストを自民党の公約に完全導入する」について、記者からどれくらい自民党は前向きなのかと問われた。

   マニフェストについては、

「どこまで前向きかはわかりませんよ。(自民党の)許容範囲というものがあるでしょうから、100%とはいいませんけど、90%、80%以上はないと(国政への転身はない)」

と答えた。それまでマニフェストは、一字一句たがわず自民党のパーティーマニフェストに盛り込むことを条件にしていただけに、記者の間に驚きが広がった。

   翌日の新聞には「東国原知事公約20%オフ『泣き』の表情」(日刊スポーツ)などの見出しが立ち、自民党からの出馬条件を強行すれば国政進出ができなくなるため譲歩したのではないか、という説が出た。テレビ朝日系情報番組「スーパーモーニング」に出演した評論家の大谷昭宏さんは、知事は自民党から出るための落とし所を探っているのは明かで、スーパーも時間が来るとタイムサービスの値引きがあるように、

「どんどん下げて最後は『引き取りセール』ですよ。こんなことをすると(東知事は)だんだん足元を見られますよね。もっと値切れるぞ、と」

などと評した。

   テレビ朝日コメンテーターの三反園訓さんは、東知事は何が何でも国政に行きたいのは間違いない、という点で大谷さんと意見は共通しているが、実は自民党とは「相思相愛」に近いものがあるとし、自民党選対関係者の話として、

「東国原知事の条件を飲まないなんて、そんなバカな選択はない」

というコメントをフリップで紹介した。

知事の退職金半分にする条例施行がポイント?

   三反園さんが聞いた自民党選対関係者の話では、知事が自民党から出馬すればプラスは大きく、例えば選挙応援に行けば、黙っていても1000人から2000人の聴衆が集まり、選挙に有利になる。問題は自民党内に知事に反発する議員がいること。それを押さえる一つの手段として、自民党との話し合いのもと、出馬条件をトーンダウンしたのだろうということだった。

   さらに、自民党選対関係者の話しとして、「焦点となるのは7月6日からの週」。なぜかというと、知事の退職金を半分にするという条例が施行されるのが7月7日。知事が自分で言い出した条例だからそれまでは辞められない、というカラクリだそうだ。三反園さんは、

「知事は7月6日に宮崎県に辞表を提出。7月7日以降に辞任するという流れもあると関係者は話した」

などと明かした。

   東知事の政務秘書が6月30日から7月1日にかけ、森喜朗元首相や町村信孝元官房長官、古賀誠選対委員長など党幹部5人と会談。こうした流れは、そこで決まったのではないかということだった。その時、「知事の出馬の条件は前向きに考えます」と言われ、「それならば」と知事は条件を下げたのだろう。三反園さんはそう推測している。ただし、政治家にとって「前向きに」というのは「何もしないこと」だそうで、仮に知事の自民党からの出馬が発表されたとしても、条件の何割を自民党が実行するかはわからない、と分析している。