J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

なにかと話題の阿久根市長 今度はキャラクター物産品

   ブログで市議会攻撃を繰り広げるなどして注目を集めている「ブログ市長」こと阿久根市の竹原信一市長をめぐり、新たな動きが起こっている。宮崎県の東国原英夫知事がキャラクター製品で県産品のPRに一役買ったことから、支持者が「市長の知名度を生かして特産品を発信したい」と発案。市長のイラスト入りシールやポスターを製作して、特産品に貼るなどしてPRするというのだ。

市長デザインしたシール1万枚とポスター20枚製作

市内の食堂には「『ブログ市長』おススメの店」というポスターが張り出されている
市内の食堂には「『ブログ市長』おススメの店」というポスターが張り出されている

   竹原市長をめぐっては、ブログで「辞めさせたい市議会議員」を募集するなどしたことから、市議会が猛反発。2度にわたって不信任案が可決され失職に追い込まれた。ところが、2009年5月31日の出直し選で、市職員の高給への批判などが追い風になったこともあり、反市長派が擁立した候補を破って再選を果たした。

   再選後も、職員労働組合に対して、市庁舎内にある事務所からの退去を命じ、09年4月に出した使用許可を6月になって取り消したことについて、労組側が「取り消しは違法」として鹿児島地裁に提訴するなど、何かと話題は多い。

   そんな中、竹原市長の知名度を利用して特産品をPRしようという動きが起こっている。09年7月上旬、竹原市長の支持者有志が、「ブログ市長おススメ!」というキーワードを商標登録し、市長をデザインしたシール1万枚とポスター20枚を製作。シールは直径5.5センチの円形で、作業着姿の市長が微笑んでいる絵柄だ。ポスターには、市長がPCを操作している様子が映っており、「『ブログ市長』おススメの店」いう見出しが目を引く。シール・ポスターは市内数十か所の事業所に無料配布し、その他は有料で購入してもらう予定だ。

   すでにポスターについては、漁協が経営する、市内でも人気の食堂「ぶえんかん」でも張り出されている。

「支持率アップにつながれば」と後援会

   竹原市長の後援会メンバーで、竹原市長のいとこにあたる榎田稔さん(52)は、

「阿久根は、サバやアジなどの海産物の加工品が名産です。パッケージにシールを貼って市外にアピールできれば」

と意気込む。

   ただし、東国原知事と竹原市長とで大きく異なるのが、その支持率だ。東国原知事は、少なくとも「国政進出騒動」の前の段階では約9割の支持率。一方、「出直し選」での竹原市長の得票が8449だったのに対し、対立候補の得票は7887。ほぼ二分していると言っても良い状況で、反市長派からは「市長は市政に混乱をもたらしているだけだ」との批判も根強い。このような状況で、「フログ市長」ブランドが阿久根市のPRにとってプラスになるかどうかは未知数だとの見方もできそうだ。

   もっとも、そのあたりは後援会側も織り込み済みのようで、

「東国原知事も、就任当初の支持率は必ずしも高くなかったのですが、自分が前面に出て県産品をPRしていくにつれて、支持率も上がっていきました。それと同様に、今回のPR作戦で知名度を上げて、支持率アップにつながれば」

と、特産品PRと支持率アップの「一石二鳥」を狙いたい考えだ。

   一方の竹原市長は、

「自分は、後援会から『(PR企画を)やるよ』と言われたので、『うん』と言ったぐらい。後援会が勝手にやっているので、正直、良く分かりません。恥ずかしい気もしますが、これで阿久根が盛り上がるのであれば良いのでは。(何をPRするかについては)後援会が、これから考えるんじゃないですか」

と、比較的冷淡な様子だった。